ライアン・リンドリー

ライアン・リンドリー：波乱万丈のアメリカンフットボール人生

ライアン・リンドリー（Ryan Lindley, 1989年6月22日 - ）は、カリフォルニア州サンディエゴ出身の元アメリカンフットボール選手。現在はコーチとして活躍しています。彼の選手としての道のりは決して平坦ではなく、数々の苦難を乗り越えてきました。

プロ入りまで

高校時代、リンドリーはアメリカンフットボールと野球の両方で才能を発揮しました。3年生のシーズンには、3,521ヤードを獲得し、35タッチダウンを記録するなど、圧倒的な成績を残しました。

サンディエゴ州立大学に進学後、2008年には11試合で先発QBとして出場。427回のパス試投中242回を成功させ、2,653ヤード、16タッチダウン、9インターセプトを記録しました。翌2009年には、12試合に先発し、パス437回中239回成功、3,054ヤード、23タッチダウン、16インターセプトを記録。2010年には、パス421回中243回成功、3,830ヤード、28タッチダウン、14インターセプトと、さらに成績を向上させました。この年、チームはポインセチアボウルに出場し、リンドリーはパス23回中18回成功、276ヤード、2タッチダウンを記録し、35-14で海軍兵学校を破る勝利に貢献しました。

NFLでの苦闘

2012年、NFLドラフト6巡でアリゾナ・カージナルスに入団。プレシーズンでは、ケビン・コルブやジョン・スケルトンといった先発QB候補に匹敵するプレーを見せました。プレシーズン第4週のデンバー・ブロンコス戦では、マイケル・フロイドへの22ヤードのタッチダウンパスを成功させました。

しかし、レギュラーシーズンでは苦戦が続きます。第11週のアトランタ・ファルコンズ戦で途中出場したものの、パス20回中9回成功、64ヤード、1ファンブルロストに終わりました。続く第12週のセントルイス・ラムズ戦で初先発を果たしましたが、312ヤードを投げたものの、4インターセプトを喫しました。第13週のニューヨーク・ジェッツ戦では、パス31回中10回成功、72ヤード、1インターセプトと散々な結果に終わり、チームも敗北。その後も安定したパフォーマンスを見せることができず、2014年には、エースQBの負傷により出場機会を得たものの、NFLワーストとなる225回のパスを投げてタッチダウンパスなしという記録を作ってしまいました。

2015年にはニューイングランド・ペイトリオッツと契約しましたが、プレシーズン終了後に解雇。その後、インディアナポリス・コルツと契約し、シーズン最終戦で1タッチダウンを記録しました。

2017年には、カナディアン・フットボール・リーグのオタワ・レッドブラックスと契約しましたが、目立った活躍はできず、2018年に解雇されました。

コーチとしての転身

現役引退後、リンドリーはコーチとしての道を歩み始めます。サンディエゴ州立大学のアシスタントコーチを経て、2018年10月31日にクリーブランド・ブラウンズのRBコーチに就任。その後、QBコーチに昇格しました。ブラウンズ退団後は、ユタ大学、ミシシッピ州立大学でアナリストを務め、指導者としての経験を積んでいます。

人物

リンドリーは、強肩の持ち主として知られています。ニューヨーク・タイムズのMatt Waldman記者からは、2012年のドラフト候補の中で、アンドリュー・ラック、ロバート・グリフィン3世、ライアン・タネヒル、ラッセル・ウィルソンに次ぐ5番目のQBと評価されました。

選手としては苦難の連続でしたが、コーチとして新たな才能を開花させたライアン・リンドリー。今後の活躍に期待が高まります。

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