ライフルマン

ライフルマン

「ライフルマン」（原題: The Rifleman）は、1950年代後半から1960年代初頭にかけてアメリカで制作された人気テレビ西部劇です。モノクロで撮影され、フォスター・プロが製作を担当しました。主演はチャック・コナーズが務め、彼の卓越した演技とライフル捌きが多くのファンを魅了しました。

概要

物語の舞台は1880年代のニューメキシコ州ノースフォーク。主人公は、小さな農場を経営するルーカス・マケイン（チャック・コナーズ）と、彼の息子マーク（ジョニー・クロフォード）です。妻に先立たれたルーカスは、男手一つで息子を育てながら、卓越したライフル銃の腕前を活かし、悪や暴力と戦います。番組では、父と子の強い絆、そしてルーカスの真摯な生き方が描かれています。特に、番組冒頭のライフル連射シーンは有名で、愛用のライフルをまるで拳銃のように回転させながら射撃するルーカスの姿は、多くの西部劇ファンを魅了しました。

放送

アメリカでは、1958年9月30日から1963年4月8日までABCで全168話が放送されました。日本では、1960年11月30日から1963年12月4日までTBS系列で毎週水曜19時30分から20時に156話が放送されました。

キャスト

ルーカス・マケイン：チャック・コナーズ（声：中谷一郎）
マーク・マケイン：ジョニー・クロフォード（声：北條美智留）
保安官ミカ・トランス：ポール・フィックス

主題歌

アメリカでの放送時には主題歌はありませんでしたが、日本では独自の主題歌が制作されました。

『無敵のライフルマン』（コロムビアレコード）
作詞・作曲・編曲：レイモンド服部
歌：小坂一也

エピソード

当時の西部劇は人気ジャンルでしたが、本作は他作品との差別化を図るため、ルーカスがウィンチェスター・モデル1892を使用することに決定しました。この銃を腰のあたりで抱えて速射ちするシーンは、番組の象徴的な場面となり、高い人気を博しました。監督・脚本には、当時駆け出しだったサム・ペキンパーが参加。彼の幼少期の牧場での経験が、物語の様々な設定や役柄に影響を与えました。

本作は、プライムタイムの番組として初めて、配偶者を失った親が子供を育てるというテーマを扱った作品としても知られています。また、従来の西部劇とは異なり、父子愛、隣人愛、平等の権利といったテーマも盛り込まれました。サミー・デービス・ジュニアのような黒人俳優がゲスト出演したことも、当時のテレビドラマとしては画期的でした。この時期は、黒人俳優の活躍が映画界でも広がりを見せ始めた頃で、社会の変化を反映していました。

主演のチャック・コナーズは、元プロスポーツ選手という異色の経歴の持ち主です。バスケットボールではボストン・セルティックス、野球ではブルックリン・ドジャースとシカゴ・カブスに在籍し、NBAとMLBの両方でプレーした経験を持つ数少ないアスリートの一人です。NBAの元選手、チャック・パーソンは、チャック・コナーズ・パーソンという本名から、「ライフルマン」というニックネームで知られていました。

「コンバット」でサンダース軍曹を演じたヴィック・モロー、「大草原の小さな家」でチャールズ・インガルスを演じたマイケル・ランドンもゲスト出演したことがあります。息子のマークを演じたジョニー・クロフォードは、「ララミー牧場」に出演していたロバート・クロフォードJr.の実弟です。

日本のプロ野球選手である船田和英は、チャック・コナーズに似ていたことから、「ライフルマン」というニックネームで呼ばれていました。番組はサンスターシオノギ（現：サンスター）の一社提供で放送されました。

脚注

外部リンク

公式ウェブサイト
The Rifleman - IMDb（英語）
* The Rifleman - epguides.com（英語）

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