ラインメタル/マウザー・ヴェルケMG34機関銃

MG34機関銃：汎用機関銃の先駆け

MG34機関銃（Maschinengewehr 34）は、1934年にドイツで制式化された機関銃です。空冷式で7.92x57mmモーゼル弾を使用し、軽機関銃や重機関銃として多用途に使える、世界初の本格的な汎用機関銃として知られています。

開発経緯

MG34は、ラインメタル社のルイス・シュタンゲが設計したゾロターンM1929（MG29）を基に、マウザー・ヴェルケ社のハインリッヒ・フォルマーが改良を重ねて完成させました。当初のMG30は25発入りバナナ型弾倉を使用していましたが、MG34ではベルト給弾式とドラム弾倉式に変更され、汎用性が高められました。銃口にはラッパ型消焔器を兼ねたマズルブースターが追加され、発射速度は毎分800-900発に向上。また、オープンブリーチ機構の採用により、射撃後の冷却効果を高めています。

特徴

MG34の最大の特徴は、汎用性の高さです。歩兵用の主力機関銃としてだけでなく、戦車の車載機関銃や対空機関銃としても使用されました。ベルト給弾式とドラムマガジン給弾式の両方に対応しており、状況に応じて使い分けることができました。また、銃身の交換が容易で、機関銃チームは常に予備の銃身を持ち歩き、過熱した銃身を交換していました。

運用

MG34は、歩兵部隊では軽機関銃として、一個分隊に一挺ずつ配備されました。重機関銃として運用する場合は、一個大隊に一個機関銃中隊が編成され、一個中隊は三個の機関銃小隊と一個の迫撃砲小隊から編成されました。また、戦車や装甲車などの車載機銃としても終戦まで使用されました。

派生型

MG34には、生産性向上と低価格化を目指したMG34/41Sや、発射速度を毎分1,200発に向上させたフルオート作動専用の簡易型など、いくつかの派生型が存在します。また、車載機銃としては、バレルジャケットを装甲化した車載型MG34が使用されました。

課題

MG34は高性能な機関銃でしたが、部品の多くが職人による精密な削り出し加工に頼る設計であり、製造コストが高いという課題がありました。また、歩兵用としては汚れに過敏な傾向があり、前線の過酷な環境では排莢不良を起こすことがありました。そのため、より安価で大量生産に向いたMG42が開発されましたが、MG34も終戦まで使用され続けました。

まとめ

MG34は、世界初の本格的な汎用機関銃として、その後の機関銃開発に大きな影響を与えました。高性能でありながら、製造コストや信頼性に課題がありましたが、第二次世界大戦を通じてドイツ軍の主力機関銃として活躍しました。

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