ラキム

ラキム (Rakim)

ラキム（本名: ウイリアム・マイケル・グリフィンJr.、1968年1月28日 - ）は、アメリカ・ニューヨーク州出身のラッパーであり、ソングライターです。

経歴

ラキムは、ヒップホップ史上最も影響力のあるラッパーの一人とされています。彼の卓越したリリックは、多くのアーティストに影響を与えてきました。R&B歌手ルース・ブラウンの甥であるラキムは、若い頃からニューヨークのヒップホップシーンに関わっていました。1984年にはイスラム教団体「ネイション・オブ・ゴッズ・アンド・アースズ」に入会し、ラキム・アラーと改名しました。

エリックB&ラキム

1987年、ラキムはDJエリックBとデュオ「エリックB&ラキム」を結成し、アルバム『ペイド・イン・フル』でデビュー。ミドルスクール後のヒップホップシーンに衝撃を与え、その後のラッパーたちに大きな影響を与えました。1988年にはアルバム『フォロー・ザ・リーダー』を発表しています。

ソロ活動

1992年に発表された楽曲「ドント・スウェット・ザ・テクニック」はR&Bチャートでヒットし、ジャズラップの要素を取り入れた楽曲として注目されました。
2000年代に入ると、音楽評論家スティーブ・ヒューイはラキムを「最も偉大なMCの一人」と評し、その滑らかなフロウと落ち着いたパフォーマンスを絶賛しました。デューク大学のマーク・アンソニー・ニールも、ラキムのリリックの深さを高く評価しています。その一方で、ラキムのドラッグ使用を指摘する声もありました。

エリックB&ラキムは4枚のアルバムを発表した後、1992年に解散しました。その原因は、印税、レコードレーベル、契約上の問題など多岐に渡ります。その後、ラキムは4年間アルバムを発表しませんでした。

1997年、ラキムはアルバム『ザ・エイティーンス・レター』で復活。DJプレミアやピート・ロックとのコラボレーションが話題となりました。このアルバムには、エリックB&ラキム時代のベスト盤『ザ・ブック・オブ・ライフ』が付属したバージョンも存在します。アルバムは50万枚を売り上げ、高い評価を得ました。しかし、1999年に発表したアルバム『ザ・マスター』は、商業的な成功を収めることができませんでした。

2000年代初頭、ラキムはドクター・ドレーのレコードレーベル、アフターマス・エンターテインメントと契約しましたが、アルバム『オー・マイ・ゴッド』の制作は、音楽性の違いやメンバーの変更により遅れていました。その間、ラキムはトゥルース・ハーツの「アディクティブ」、ジェイZの「ザ・ウォッチャー・パート2」、映画『8 Mile』のサウンドトラックなど、様々なプロジェクトに参加しました。

2003年、ラキムはドクター・ドレーとの音楽性のずれを理由にアフターマスを離脱し、『オー・マイ・ゴッド』の発売は無期限延期となりました。2004年には、息子の養育費問題で逮捕されるという出来事もありました。

2004年、ラキムは新しいアルバムを制作中であることを語りましたが、2006年現在、まだ発表されていません。最近では、タリブ・クウェリのレーベルと契約するのではないかという噂もありましたが、正式な契約には至っていません。ラキムの最新アルバムのタイトルは『ザ・セブンス・シール』と言われていますが、発売時期やレーベルは未定です。

ディスコグラフィ

[アルバム]

Paid In Full (1987)
Follow The Leader (1988)
Let The Rhythm Hit Em (1990)
Don't Sweat The Technique (1992)
Paid In Full -Deluxe Edition- (2003)

ソロ・アルバム

The 18th Letter (1997)
The Master (1999)
The Archive: Live, Lost & Found (2008)
The Seventh Seal (2009)

関連項目

パブリック・エネミー
ヒップホップ
ラップ
ジョディ・ワトリー - Friends (Jody Watley song) - featuring Eric B. & Rakim

外部リンク

Rakim on Myspace
ラキム - オールミュージック
ラキム - MTV
* ラキム - Discogs

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