ウィスコンシン州西部に位置するラクロスは、
ミシシッピ川沿いに広がる活気ある都市です。同州西側では最大規模を誇り、人口は約5万2千人(2020年)。美しい自然と歴史、そして活気ある文化が調和した魅力的な街として知られています。
歴史:毛皮交易から現代都市へ
ラクロスの歴史は古く、17世紀後半には
フランス人毛皮交易業者が
ミシシッピ川を遡上していた記録が残されています。しかし、公式な記録としては、1805年にゼブロン・パイク中尉が
アメリカ合衆国のために探検隊を率いてこの地を訪れた際に「
プレーリー・ラ・クロス」と命名したのが始まりです。この地名は、先住民たちが楽しまれていたラクロスというスポーツに由来しています。
1841年、ネイサン・ミリックという人物が毛皮交易を目的にこの地に定住しました。ミリックは、3つの川が合流する戦略的な地点に交易拠点を築き、これがラクロス発展の起点となりました。その後、モルモン教徒の入植や、キリスト教の布教なども始まり、徐々に村落として発展していきました。
1851年には村の区画割りが行われ、1855年には人口が約2000人に達し、1856年に正式に市として法人化されました。1858年には鉄道が開通、さらに製材業や醸造業などの産業も発展し、19世紀後半には
ウィスコンシン州有数の都市へと成長を遂げました。20世紀に入ると、複数の大学やカレッジが設立され、教育の中心地としても発展を続けました。
地理:3つの川とクーリー地域
ラクロスは
ミシシッピ川東岸の沖積平野に位置し、ブラック川とラクロス川が
ミシシッピ川に合流する地点の近くに位置しています。周辺には高さ約150メートルの崖があり、その眺望は
マーク・トウェインの著作にも記されています。この地形から、ラクロス周辺地域は「クーリー地域」とも呼ばれています。
ラクロスは温暖な
大陸性気候に属し、夏は暑く、冬は寒くなります。7月の平均最高気温は約29℃、1月の平均最高気温は約-4℃です。
地区:多様な地域社会
ラクロス市は17の選挙区に分かれており、歴史的な地区や大学キャンパス周辺、郊外エリアなど、多様な地域社会が形成されています。
人口動態:多文化共生社会
ラクロスは、1970年代以降、
東南アジアからの難民を多く受け入れてきました。特に
ミャオ族の人々が定住し、多文化共生社会を築いています。
市政府と政治:民主党の地盤
ラクロス市の行政は、市長と市政委員会による形態です。政治的には民主党が強い地盤となっています。
経済:多様な産業と雇用
ラクロスは、医療、物流、製造業など、多様な産業が盛んで、多くの雇用を生み出しています。主要な雇用主としては、医療機関や大学、小売企業などが挙げられます。
観光:ショッピングとイベント
ラクロスは、地域最大のショッピングセンターや多くの郊外型大型店、レストランなどを擁し、ショッピングの拠点となっています。市内中心部では、ファーマーズマーケットやイベントなども開催され、賑わっています。ラクロス・センターという多目的アリーナでは、コンサートやスポーツイベントなどが開催されています。
メディア:地域情報を網羅
ラクロスには、地域紙や週刊誌、テレビ局、ラジオ局などがあり、地域情報を発信しています。
教育:質の高い教育機関
ラクロスには、
ウィスコンシン大学ラクロス校を始めとする大学やカレッジがあり、高等教育の拠点となっています。また、小中高校も充実しており、質の高い教育が提供されています。
医療:充実した医療体制
ガンダーセン・ルーテラン医療センターや
メイヨー・クリニック系列の病院など、充実した医療機関が整備されています。
水道水:良質な地下水
ラクロスの飲料水は、地下水を使用しており、高い水質が保たれています。
交通:多様な交通手段
ラクロスには空港があり、
国内各地への航空路線があります。また、高速道路や鉄道、バスなど、陸路による交通網も整備されています。
ミシシッピ川は、貨物輸送にも利用されています。
文化:芸術とイベント
ラクロスには、芸術センターや交響楽団、演劇団体など、多くの芸術文化団体が存在し、年間を通して様々なイベントが開催されています。
スポーツ:地域スポーツチームと大学スポーツ
ラクロスには、セミプロのスポーツチームや、
ウィスコンシン大学ラクロスのチームなどがあり、スポーツも盛んです。
評価:住みやすい街として高く評価
ラクロスは、安全で住みやすい街として、様々な機関から高い評価を得ています。
著名な出身者
ラクロス出身者には、
アメリカ合衆国副大統領を務めた人物や、プロスポーツ選手、宇宙飛行士など、様々な分野で活躍する人材がいます。
姉妹都市
ラクロスは、世界各
国に姉妹都市を有しています。