ラサール弦楽四重奏団

ラサール弦楽四重奏団

ラサール弦楽四重奏団（LaSalle Quartet）は、1946年に設立され、1987年まで活躍した室内楽団体です。この団体はアメリカのニューヨークで結成され、ジュリアード音楽院の学生たちが中心となって活動を開始しました。

創設と背景

この四重奏団は、ヴァイオリン奏者のヴァルター・レヴィンの発案により設立されました。彼は、アマティの楽器を寄贈され、その美しい音色を用いて演奏を行いました。団体名は、結成当時の母校であるジュリアード音楽院が位置するマンハッタンの通りから取られています。

団員の紹介

ラサール弦楽四重奏団のメンバーは以下の通りです。

• - ヴァルター・レヴィン (第1ヴァイオリン)
• - ヘンリー・メイヤー (第2ヴァイオリン)
• - ピーター・カムニツァー (ヴィオラ)
• - ジャック・キルステイン (初代チェロ、1980年まで在籍)
• - リー・ファイザー (第2代チェロ)

特に、メンバー同士の演奏技術と音楽性の高さは、ラサール弦楽四重奏団を特徴づける要因でした。

音楽スタイルとレパートリー

ラサール弦楽四重奏団は古典派やロマン派の音楽をレパートリーに取り入れつつ、現代音楽への関心も高めました。特に、シェーンベルクやベルク、ウェーベルンといった新ウィーン楽派の作品も積極的に演奏し、ジェルジ・リゲティの弦楽四重奏曲第2番を1969年に初演するなど、現代音楽の推進者として知られています。

また、団体はドイツ・グラモフォン・レーベルでツェムリンスキーの弦楽四重奏曲全集を録音し、その結果として「ツェムリンスキー・ルネサンス」を引き起こしたことで認識されています。この録音は評価され、ドイツ・シャルプラッテン賞を受賞しました。

教育と影響

ラサール弦楽四重奏団はシンシナティ大学音楽学部においても常駐団体として活動していました。この場を通じて、彼らの音楽的な指導を受けた多くの弦楽四重奏団が成立するなど、後進の育成に貢献しています。アルバン・ベルク弦楽四重奏団やアルテミス四重奏団など、多くの団体がラサールのメンバーから技術を学ぶために訪れました。

団員の没年

残念ながら、ラサール弦楽四重奏団のメンバーは全員が故人となっており、彼らの功績は今も多くの音楽愛好者に記憶されています。ヴァルター・レヴィンは2017年8月に、ヘンリー・メイヤーは2006年12月に、ピーター・カムニツァーは2016年にそれぞれ亡くなりました。

このように、ラサール弦楽四重奏団は室内楽の世界で特異な位置を占め、現在も多くの音楽家やリスナーに影響を与え続けています。

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