ラシアンルーブル

ラシアンルーブル：平凡な現役時代から伝説の種牡馬へ

ラシアンルーブル(1980年3月30日 - 不明)は、アメリカ合衆国で生産された競走馬であり、日本における成功を収めた種牡馬として知られています。競走馬としての経歴は華々しいものではありませんでしたが、種牡馬として日本に輸入された後、その血統の力によって、数々の優秀な競走馬を輩出しました。

輝かぬ現役時代と日本への転身

イギリスで競走生活を送ったラシアンルーブルは、7戦2勝という平凡な成績に終わりました。ホートンステークスとウェールズダービーでの勝利はありますが、キングエドワード7世ステークスではアイリッシュダービー馬シャリーフダンサーに敗れ2着という結果でした。イギリスチャンピオンステークスでは13着という結果に終わり、その後引退しています。しかし、その競走成績とは裏腹に、ラシアンルーブルの血統には潜在的な能力が秘められていました。

マルゼンスキーやヤマニンスキーといった名馬の成功により、当時、日本には多くのニジンスキー産駒が輸入されていました。一流の競走馬とは言えなかったラシアンルーブルも、その優れた血統背景から日本での種牡馬としての活躍が期待され、輸入されることとなりました。同時期には、ホクトベガの父であるナグルスキーなども日本に導入されています。

ラシアンルーブルの父系には、マルゼンスキーやヤマニンスキーと同じくバックパサーの血が流れており、特にマルゼンスキーとは母母父まで同じプリンスキロという血統的共通点がありました。この血統的類似性から、ラシアンルーブルはマルゼンスキーの後継種牡馬として、日本の生産者から高い人気を集めました。

数々の活躍馬を輩出した種牡馬生活と謎の引退

ラシアンルーブルは、種牡馬として多くの優秀な競走馬を輩出しました。代表的な産駒としては、1988年産駒のイソノルーブルが挙げられます。イソノルーブルは優駿牝馬（オークス）を制覇するなど、G1競走で活躍しました。他にも、ラシアンゴールド（帝王賞、フェブラリーハンデキャップ）、ユウユウサンボーイ（全日本3歳優駿）、エクセルワイザー（道営記念、瑞穂賞）といった重賞勝ち馬を輩出しています。さらに、ブルードメアサイアー（母方の父）としても、ハギノハイグレイド（東海ステークス2勝など）などの活躍馬の血統に貢献しています。

2003年12月20日、23歳になったラシアンルーブルは種牡馬を引退しました。しかし、その後の消息は不明であり、多くの競馬ファンにとって謎のままとなっています。数々の活躍馬を輩出した名種牡馬のその後が明らかでないことは、日本の競馬史における大きな謎として残されています。

血統と近親

ラシアンルーブルの血統背景には、アメリカで7勝ものGI競走を制した名馬グッバイヘイローの母であるパウンドフーリッシュという姉の存在があります。また、近親にはトウカイパルサー（愛知杯）など活躍馬もいます。

ラシアンルーブルの遺産

競走馬としての華々しい成績こそ残せませんでしたが、種牡馬として日本の競馬界に大きな影響を与えたラシアンルーブル。その活躍と謎めいた引退後の行方は、日本の競馬史において長く語り継がれるであろう物語を形成しています。彼の血統は、現在も多くの競走馬の中に受け継がれ、その存在感を示し続けているのです。

もう一度検索