バックパサー

バックパサー (Buckpasser)

バックパサーは1963年にアメリカ・クレイボーンファームで誕生したなど、1960年代中頃に競走馬としての道を歩みました。競馬界のレジェンドとして、その名は今も語り継がれています。彼は「責任を逃れる人」を意味する名前が与えられましたが、実際には身体的な欠点がなく、あらゆる面において完璧な馬と評されています。特に、ニューヨーク競馬協会のギルマン氏が「一般的には100の欠点を持つ馬が多いが、バックパサーには欠点を見つけることができない」と述べたことからも、その素晴らしさが窺えます。

バッパサーの性格もまた注目に値します。彼は非常に穏やかな性格で、訪問者には鼻で挨拶をするなど、親しみやすい存在でした。このような特性が、彼をより一層特別な存在にしているのです。

競走成績

バックパサーの競走成績は特筆すべきものがあります。彼がデビューする前の唯一の欠点として挙げられるのは、レースへの臨む姿勢だったと言われていますが、実際の成績は圧倒的でした。デビュー戦は4着以下に敗れただけであり、その後は驚異の連勝を続けました。彼は3歳時にトラヴァーズステークス、ウッドワードステークス、ジョッキークラブゴールドカップを含む13連勝を達成しました。その際、ケンタッキーダービー馬であるカウアイキングとの対決も成功させ、1分32秒6というマイルレコードを樹立しました。

その後、バックパサーは1967年に連勝記録を15にまで伸ばしましたが、再び裂蹄を患い4ヶ月の休養を余儀なくされました。この休養中に、フランスのサンクルー大賞への出走が計画されましたが、準備レースとして出たボウリンググリーンハンデキャップでは3着に敗れ、連勝が途絶えました。しかし、復帰戦のサバーバンハンデキャップではトップハンデを背負いながらも見事に勝利を収めました。最後のレースとなったウッドワードステークスでは、強敵のドクターフェイガーやダマスカスと激しい戦いを繰り広げましたが、ダマスカスに10馬身差で敗北し、その後膝の関節炎に悩まされつつ引退を迎えました。

引退後の活躍

引退後のバックパサーは480万ドルという巨額な価格でシンジケートが組まれ、種牡馬として活躍しました。バックパサーは313頭の産駒を残し、そのうち35頭がステークスで優勝を果たしています。彼はわずか15歳で亡くなりましたが、その血統は長期間にわたり優秀な馬を輩出し続けました。日本でも人気のある馬たち、例えばマルゼンスキー、エルグランセニョール、イージーゴアなどがバックパサーを母の父に持つことで有名です。

血統と評価

バックパサーの血統も卓越しており、彼の母系は名繁殖牝馬ラトロワンヌにさかのぼります。この牝系はアメリカでも最高の名門とされ、彼の優れた特徴を持つ子孫を生む土台となっています。

バックパサーの魅力はその完璧な馬体、優れた成績、そして引退後の影響にまで広がります。彼はまさにアメリカ競馬の歴史に刻まれた伝説の存在であり、今後も多くの競馬ファンに愛され続けることでしょう。

もう一度検索