ラシュモア (ドック型揚陸艦)

ラシュモア(LSD-47) - 多様な任務をこなしたドック型揚陸艦

アメリカ海軍のドック型揚陸艦、ラシュモア(USS Rushmore, LSD-47)は、ホイッドビー・アイランド級の7番艦として知られています。その艦名は、サウスダコタ州にあるラシュモア山国立記念公園に由来しており、同名の艦としては2代目となります。

ラシュモアは1987年11月9日にルイジアナ州で起工され、1989年5月6日、進水しました。そして1991年6月1日、正式に就役を迎えます。最初の任務は、上陸用舟艇をフロリダ州からカリフォルニア州へ輸送することでした。この航海では、ジャマイカへの寄港やパナマ運河の通過、パナマでの寄港なども行われています。

就役後まもなく、ラシュモアはソマリア沖で人道支援活動である「オペレーション・レストア・ホープ」に参加しました。これは歴史上最大規模の人道支援作戦の一つであり、ラシュモアはソマリアの難民への食糧や医療支援に大きく貢献しました。

その後もラシュモアは世界各地で活動します。1994年には西太平洋への展開（WestPac）に参加し、ソマリアでの活動にも携わりました。ケニア沖での活動では、「オペレーション・サポート・ホープ」に貢献し、部隊功績章を受章する活躍を見せます。

1996年には、タイ、ヨルダン、サウジアラビア、クウェートなどとの多国籍演習に参加し、その功績から「Blue E」と「Battle E」を受章しました。これらの演習では、強襲揚陸艦タラワ(USS Tarawa)率いる揚陸準備グループと協力し、高度な連携能力を披露しました。同年、メキシコへの寄港を経て、2度目の「Battle E」を受章しています。

ラシュモアは、アメリカ海軍のスマートシップ・プログラム「ゲーター17」の試験艦としても選ばれました。このプログラムでは、省力化と効率化を目指した新技術が導入され、ラシュモアの試験結果に基づいて、サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦の運用が改善されました。このプログラムは1997年末に終了しています。

1999年には、強襲揚陸艦ペリリュー(USS Peleliu)率いる揚陸準備グループと共に、アラブ首長国連邦やサウジアラビアとの多国籍演習に参加しました。これらの演習を通して、ラシュモアは国際的な連携強化に貢献しました。

2006年には、第3揚陸グループに所属し、ケイサル・S・オコーナー艦長の指揮下で活動を続けていました。そして2021年11月17日、第7艦隊の前方展開戦力として、佐世保基地に入港しました。これは、日本の防衛力強化において重要な出来事の一つとなりました。

ラシュモアは、人道支援から多国籍演習、そして技術試験艦としての役割まで、その活動範囲は多岐に渡ります。その歴史は、アメリカ海軍の強さと、国際社会への貢献を象徴するものです。 ラシュモアの活動は、現代の海軍におけるドック型揚陸艦の重要性を示す、貴重な記録となっています。

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