ラシュモア山

ラシュモア山について

ラシュモア山（Mount Rushmore）は、アメリカ合衆国サウスダコタ州にある特徴的な山です。この山は特に、その露頭に彫られた巨大な大統領の彫刻で有名であり、アメリカの国立記念碑として訪れる観光客に愛されています。標高1745メートルを誇るこの山は、ブラックヒルズ地域に位置し、毎年約300万人の観光客が訪れる人気のスポットです。

ラシュモア山国立記念碑とは

この国立記念碑は、アメリカの成り立ちや発展を象徴する建造物の一つであり、1927年から1941年までの14年間にわたって、ガットスン・ボーグラムの指導のもと、約400人の作業員がかかり、標高1745メートルの花崗岩に彫り込まれました。彫刻の高さは約18メートルに達し、彫られているのはアメリカ合衆国の歴史に多大な影響を与えた4人の大統領です。それはジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファーソン、セオドア・ルーズベルト、そしてエイブラハム・リンカーンです。

この彫刻は、非常に硬い花崗岩を使用しており、制作過程ではダイナマイトを用いるなど、非常に苦労したことが知られています。ラシュモア山は1925年にアメリカ国定記念公園としても指定され、観光名所としての地位を築きました。

歴史的背景とインディアンとの関係

ラシュモア山があるブラックヒルズは、アメリカのゴールドラッシュ時代に白人とアメリカ・インディアンとの間で激しい対立が繰り広げられた地域です。この地は、アメリカ・インディアンにとって聖地とされており、1868年には第二次ララミー砦条約によってスー族に固有の土地として確保されましたが、その後、政府によって条約は一方的に破棄され、土地が没収されました。

この背景を考えると、ラシュモア山に彫られた大統領の姿は、インディアンにとって象徴的な背景を持つものとなります。さらに、この山の近くにはクレイジーホースというラコタ・スー族の英雄を称える彫刻も制作中であり、これには伝統派スー族が反対の声を上げています。特に1971年には、アメリカインディアン運動の活動家たちが大統領像の上に座り込みを行い、条約の有効性や土地の占有権を主張し、強い抗議の印を残しました。

映画や文化作品におけるラシュモア山

ラシュモア山は、数多くの映画や文化作品にも登場しています。1959年に公開されたアルフレッド・ヒッチコックの『北北西に進路を取れ』では、記念碑の彫刻がクライマックスシーンの舞台となりました。また、1981年の『スーパーマンII』でもその姿が描かれ、大統領の彫像に悪役の顔がすり替えられるシーンがありました。さらに、2004年の『チーム★アメリカ/ワールドポリス』では、ラシュモア山の彫刻を逸脱したユニークな形で取り上げられています。

ラシュモア山の影響は映画だけでなく、音楽やゲームの文化にも広がっており、様々なメディアでその姿が模倣されています。たとえば、ディープ・パープルのアルバムや、人気漫画『NARUTO』に登場する火影岩などがその一例です。

まとめ

ラシュモア山は単なる観光名所ではなく、アメリカの歴史的、文化的背景を映し出す重要なシンボルです。インディアンとの複雑な関係や、国立記念碑としての価値は、訪れた人々に深い感慨を与えます。また、その魅力は映画や音楽などさまざまな文化表現にも影響を与え続けています。このような歴史と文化が交錯する場としてのラシュモア山は、今後も多くの人々の記憶に残ることでしょう。

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