ラショナル

ラショナル(Rational)とは

ラショナルは、かつて「Rational Software」という独立したソフトウェア企業でした。ソフトウェア開発ライフサイクル全体をカバーする基盤技術を提供しており、特にオブジェクト指向開発やモデル駆動開発の分野で大きな影響力を持っていました。2003年にIBMに買収され、現在はIBMのソフトウェアブランドの一つとして、その技術と製品はIBMのソフトウェアポートフォリオの中核を担っています。

ラショナルソフトウェアの歴史

ラショナル[ソフトウェア]]の特筆すべき点は、グラディ・ブーチ、イヴァー・ヤコブソン、ジェームズ・ランボーという、統一モデリング言語]を生み出した「3アミーゴ」と呼ばれる存在でした。彼らは、初期のUMLの策定と、オブジェクト指向[ソフトウェア開発手法である[[ラショナル統一プロセス]の開発を主導しました。

買収前のラショナルソフトウェアの代表的な製品には、UMLモデリングツールの「Rational ROSE」や、変更・リリース管理ツールの「ClearCase」などがあります。これらのツールは、当時のソフトウェア開発現場で広く利用されていました。

2002年12月、IBMはラショナルソフトウェアを総額21億ドルで買収することで合意し、ラショナルはIBMの主要なソフトウェアブランドの一つとなりました。この買収は、IBMのソフトウェア戦略において重要な転換点となり、ラショナルの技術と製品はIBMのソフトウェア製品群に統合されました。2003年2月には買収が完了し、日本法人も同年7月に日本IBMに統合されました。

IBMによる統合とその後

IBMはラショナルの買収後、旧ラショナル製品とIBMの既存のVisualAgeファミリー、WebSphere Application Developerファミリー、XLファミリーなどを統合し、「IBM Rational」ブランドとして製品を再編しました。この統合により、製品のラインナップが拡充され、開発者にとってより包括的なソリューションが提供されるようになりました。

特に、「Rational Application Developer」などのEclipseベースの製品は、オープン性をさらに拡張させ、多くの開発者の支持を集めました。IBMはソフトウェア開発をビジネスの中核と位置づけ、ビジネスモデル分析にも活用できるように、製品の機能とブランド力を強化しています。

2007年6月には、モデル駆動型開発(MDD)ツールを提供するスウェーデンのTelelogicを買収し、「IBM Rationalソフトウェア」と統合することで、MDD分野の強化を図りました。この買収は2008年4月に完了し、IBMのソフトウェア開発戦略における重要な要素となりました。

主な製品

現在、IBM Rationalブランドで提供されている製品は多岐にわたります。以下に一部の製品を挙げます。

Rational Asset Analyzer: ソフトウェア資産の分析ツール
Rational Asset Manager: ソフトウェア資産の管理ツール
Rational Application Developer for WebSphere Software: WebSphere環境向けのアプリケーション開発ツール
Rational AppScan: アプリケーションのセキュリティ脆弱性診断ツール
Rational Build Forge: ビルドとデプロイメントの自動化ツール
Rational ClearCase: ソフトウェア構成管理ツール
Rational ClearQuest: 変更管理とバグ追跡ツール
Rational Data Architect: データモデリングツール (現在はInfoSphere Data Architect)
Rational Developer: 開発者向け統合開発環境
Rational Functional Tester: ソフトウェアの機能テスト自動化ツール
Rational Performance Tester: ソフトウェアのパフォーマンステスト自動化ツール
Rational Quality Manager: 品質管理ツール
Rational RequisitePro: 要件管理ツール
Rational Rhapsody: モデル駆動型開発ツール
Rational Rose: UMLモデリングツール
Rational Software Architect: ソフトウェアアーキテクチャ設計ツール
Rational Team Concert: チームコラボレーションツール
Rational Unified Process (RUP): ソフトウェア開発プロセス

また、Rationalブランド以外にも、C/C++コンパイラ、COBOLコンパイラ、XL Fortranなどの開発ツールや、Personal Communicationsなどの通信ツールも提供されています。

まとめ

ラショナルは、ソフトウェア開発の分野で長年にわたり重要な役割を果たしてきた企業であり、IBMへの統合後もその技術力と製品は、現代のソフトウェア開発において不可欠な存在となっています。特に、UMLやRUPなどのソフトウェア開発手法の普及に大きく貢献しており、その影響は今もなお続いています。IBM Rationalブランドとして、今後も開発者のニーズに応える製品を提供し続けることが期待されます。

参考資料

[IBM]]: [https://www.ibm.com/
ラショナルのホームページ: (URLが提供されていないため、IBMのサイトで関連情報を検索してください)
developerWorks Rational: (URLが提供されていないため、IBMのサイトで関連情報を検索してください)
SRA Rationalホームページ: (URLが提供されていないため、IBMのサイトで関連情報を検索してください)
* UMLモデリングツール、使いやすさの鍵とは？ - 機能の多さ、拡張性の高さに定評感 Rational Rose Enterprise Edition: (提供されたURLは、製品に関する情報であり、具体的な参考資料ではありません)

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