ラショナル (企業)

ラショナル：業務用厨房システムのグローバルリーダー

ラショナル（Rational AG）は、ドイツに拠点を置く多国籍企業であり、業務用厨房システムの開発と販売において世界をリードする存在です。特に、加熱調理に特化した革新的な機器を提供することで知られています。

1973年の創業以来、熱風調理器具の開発に注力し、スチームコンベクションオーブンの開発にいち早く着手。その後、イギリスやアメリカ合衆国など世界各国に拠点を拡大し、グローバルな事業展開を加速させてきました。現在では、世界20カ国以上に販売拠点を持ち、多様な市場ニーズに対応しています。

ラショナルの成長戦略には、積極的な買収も含まれています。1992年にはフランスのFRIMA社を買収し、子会社化。FRIMA社の技術とノウハウを吸収することで、製品ラインアップの拡充と技術力の向上を図りました。

ラショナルの主力製品として、SelfCooking Center（セルフクッキングセンター）シリーズが挙げられます。2004年に開発されたこのシリーズは、高度な自動制御機能と多様な調理機能を備え、多くのシェフから高い評価を得ています。また、FRIMA社が開発したVarioCooking Center（ヴァリオクッキングセンター）も、ラショナルブランドに統合され、幅広い調理ニーズに対応する製品ラインナップを構築しています。

ラショナルは、製品開発だけでなく、顧客サポートにも力を入れています。シェフ向けの集中トレーニングシステム「Academy RATIONAL」を導入し、製品の使用方法や調理技術に関する高度なトレーニングを提供しています。これにより、顧客は製品の性能を最大限に活かし、調理業務の効率化と品質向上を実現できます。

日本においても、ラショナルは1992年に日本法人を設立し、レストランやホテル、社員食堂、給食センターなど、幅広い顧客層に製品を提供しています。スチームコンベクションオーブンを中心とした製品群は、日本の飲食業界において高いシェアを獲得し、多くの厨房で活躍しています。2019年からはVarioCooking Centerの自社販売も開始し、更なる市場拡大を目指しています。

ラショナル製品は、フジマックなど他社からもOEM供給されており、その高い品質と信頼性が認められています。また、NASCO株式会社もラショナル製品の輸入販売を行っており、多様な販売チャネルを通じて、顧客へのアクセスを拡大しています。

ラショナルの事業はヨーロッパが売上高の6割弱を占めており、北米が2割弱、アジアが14％と続いています。今後、アジア市場における更なる成長が期待されています。ラショナルは、革新的な技術と顧客へのコミットメントにより、業務用厨房システム業界をリードし続けるでしょう。

ラショナルは、単なる調理機器メーカーではなく、厨房の効率化と調理品質の向上に貢献するソリューションプロバイダーです。その技術力とグローバルな事業展開は、今後ますます注目を集めるでしょう。

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