ラジェンドラ (敵は海賊)

ラジェンドラ：究極の対宇宙海賊艦

ラジェンドラは、神林長平によるSF小説『敵は海賊』シリーズおよびOVA『敵は海賊〜猫たちの饗宴〜』に登場する宇宙船です。広域宇宙警察・対宇宙海賊課に所属し、特に対コンピュータ・フリゲートとして知られています。この艦は、宇宙海賊に立ち向かうために設計され、特異な技術と構造を備えています。担当声優は堀内賢雄氏です。

対コンピュータ・フリゲートとしての特徴

ラジェンドラは対コンピュータ・フリゲート・タイプIIIに分類され、その全長は約300～400メートルです。この艦は剛構造であり、真空から1万気圧の環境まで耐えられる能力を持っています。形状は矢じりに似たデザインで、大気圏内での滑空も可能です。

この艦は、大気圏機動用エンジンや通常航法エンジンに加え、超光速航法を実現するΩドライブを搭載しています。Ωドライブは、Ω空間に移動し、そこから通常空間に戻ることで瞬時に目的地に到達できる機能を持っています。ただし、遠距離へ移動する際は高いエネルギーを必要とし、特に低出力の船では何度もΩドライブを繰り返さねばならない場合があります。また、大気圏内でΩアウトすると、周囲の空気が押し出されて衝撃波が発生するため、その点にも留意が必要です。

この技術により、ラジェンドラは対宇宙海賊の中で特にカーリー・ドゥルガーに対抗できる唯一の船とされ、戦力としての期待が高いです。

装備と武器システム

ラジェンドラは多様な兵装を搭載しています。主なものは次の通りです：

1. CDS (対コンピュータ用ビーム兵器)：無限速で目標に向かい、コンピュータの光電子素子を破壊します。照準が遅く、大量のエネルギーを消費するのが欠点ですが、全方位攻撃も可能です。
2. 4Dブラスタ：空間に直接作用してダメージを与えると考えられている兵器で、艦艇や人工衛星にも広く使われています。小型目標用の「マイクロ4Dブラスタ」も存在します。
3. LBS (レーザービーム)：高出力のレーザー兵器を装備しています。
4. DICS：未来のラジェンドラが装備している対Ω防護システムで、選択的にΩ空間と通常空間の間で艦体の部位を反転させることができます。
5. CFV：高機動宇宙機で、無人運用が可能です。レーダーと肉眼に対するステルス化も行える技術を持っています。
6. 衝角攻撃：艦首を鋭利に仕立て、物理的な破壊力を発揮する配置です。
7. Ωアタック：Ω空間からの攻撃を可能にした特異な攻撃方法です。

戦闘知性体ラジェンドラ

ラジェンドラは、戦闘艦に搭載される高度な人工知能、いわゆる戦闘知性体を持っています。これはA級知性体に位置付けられ、感情を持ち、戦況を分析しつつ、艦の指揮を補助する役割を果たします。特にラジェンドラは、AAA級とされる最も進化した形態の知性体であり、正常に機能しているのは極めて珍しいとされています。

そのため、ラジェンドラはしばしば直属の上司であるアプロと言い争ったり、感情をあらわにする一方で、猫になりたいという願望を抱くなど、人間に近い思考を持つことでも知られています。

このような多様な能力と特徴を持つラジェンドラは、宇宙での戦闘において非常に重要な役割を担い、その存在感はシリーズの中心的な要素ともなっています。

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