ラジャ・フマボン (フリゲート)

ラジャ・フマボン (BRP Rajah Humabon (FF-11))

ラジャ・フマボンはフィリピン海軍の一員として長きにわたり活躍したフリゲート艦です。元々はアメリカ海軍によって1943年にキャノン級護衛駆逐艦として建造されました。その艦名は、フィリピンのセブ島においてフェルディナンド・マゼランから初めてキリスト教の洗礼を受けた族長に由来しています。この王の名前は、サンスクリット語で「王」を意味する「ラージャ」に由来し、彼はマゼランに抵抗するイスラム教徒として知られるラプ＝ラプに対抗していました。

艦歴の概要

アメリカ海軍時代

1943年に竣工したラジャ・フマボンは、第二次世界大戦中にアメリカの艦艇として活躍しました。特に1945年5月6日には、ドイツのUボート艦隊の潜水艦を撃沈する功績を上げ、戦後は冷戦時代の西側連合国に対する援助の一翼を担いました。

海上自衛隊での活躍

1955年から1975年までの間、ラジャ・フマボンは日本の海上自衛隊に貸与され、あさひ型護衛艦「はつひ」として再整備されました。この時期、彼は護衛艦隊の即戦力として、旧帝国海軍の駆逐艦「わかば」と共に活動しました。

フィリピン海軍時代

1976年にアメリカ海軍に返還された後、1978年にフィリピンに売却され、1980年からフィリピン海軍に就役しました。再び名前が「ラジャ・フマボン」となり、その後は数隻の同型艦と共に運用されました。1993年には一時退役しましたが、後に再就役し、艦首の番号はPF-11に変更されました。

2000年代には、アメリカ海軍との合同演習に参加したり、中国漁船に対して警告射撃を行ったりと、国際的な活動も経験しました。また、在籍中には艦首番号をFF-11に変更し、艦齢70年を超える高齢艦としての活動を続けました。

2022年10月、台風により水没し、その運命はさらに厳しくなりました。2011年に新たに導入された艦により、2018年3月15日に正式に退役しいると、アメリカ海軍での就役から実に75年を数えました。アメリカ、日本、フィリピンの三国で活躍したラジャ・フマボンの生涯は、とても特異なものでした。

作品への登場

この艦は2007年に公開された映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』にも登場し、海戦シーンの撮影に協力しました。余りの長い歴史と様々な変遷を経たラジャ・フマボンは、フィリピン海軍の重要な象徴でもあります。

参考文献

また、学習研究社の『歴史群像』2月号での「ラジャ・フマボン」の記事も、その多様な運命を知る手助けとなります。フィリピン海軍における重要な役割と、他国の海軍との交流の証として、ラジャ・フマボンは今も多くの人々の記憶に刻まれている艦船なのです。

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