ラジルギ

ラジルギ

『ラジルギ』は、マイルストーンが2005年にアーケードゲームとして発表した縦スクロールシューティングゲームです。その後、ドリームキャスト、ゲームキューブ（『ラジルギ・ジェネリック』）、PlayStation 2（『ラジルギ・プレシャス』）に移植され、それぞれ独自のモードが追加されました。

ストーリー

舞台は、電波が世界に満ち溢れ、人々がその影響を受けるようになった時代。主人公の守草シズルは、電波アレルギーに悩まされていました。そんな中、電波アレルギーの特効薬を開発していた企業がテロリストに占拠され、偶然そこに居合わせたシズルの父親が人質となってしまいます。シズルは、親友の相田タダヨが開発した端末スーツ『小次郎』に乗り込み、父親と特効薬を救出するため、テロリストに立ち向かいます。

登場人物

守草シズル（かみぐさ - ）

本作の主人公。16歳の女子高生。電波アレルギーに苦しんでおり、父親を助けるために端末スーツ『小次郎』を操縦します。

相田タダヨ（あいた - ）

シズルの親友で同級生。メカやコンピュータに強く、『小次郎』の開発者です。ゲーム中は携帯電話を通じてシズルに指示を与えます。

三島ルキ（みしま - ）

テロリストグループ『UMBRA（アンブラ）』のリーダー。感情を表に出さず、冷徹な雰囲気を漂わせています。

宇川ケイスケ（うがわ - ）

アンブラの構成員で、ルキの側近。自国の端末技術が欧米の模倣であることに疑問を感じ、アンブラに加わりました。

嶋田ヨウジ（しまだ - ）

アンブラの構成員。特に目的もなくアンブラに入りました。電波至上の世の中を嫌っています。

白山レイコ（しろやま - ）

アンブラの構成員。過剰な薬物摂取や端末手術によるストレスで情緒不安定になっています。ルキに惹かれ、アンブラに加わりました。

守草ワタル（かみぐさ - ）

シズルの父親。端末機器を扱う会社の総務部に勤務しています。アンブラのテロに巻き込まれてしまいます。

守草ハルキ（かみぐさ - ）

シズルの弟。ごく普通の少年です。

ゲームシステム

1レバー+3ボタンで自機を操作します。Aボタンでショット、Bボタンでソード、Cボタンでアブゾネットを使用します。

ショット：3種類のショットから選択可能で、Aボタンを押し続けることでオート連射になります。

ソード：近距離攻撃で、敵を攻撃すると「青カプセル」が出現します。

シールド：前方からの攻撃を防ぎます。敵弾を防ぐと「緑カプセル」が出現します。

アブゾネット：いわゆるボンバーで、敵弾を吸収する機構です。青カプセルを回収してゲージを溜めることで使用可能になります。発動中は敵弾を消し、敵にダメージを与え、アイテムを吸い寄せます。

敵弾には破壊できるものとできないものがあります。画面は携帯電話をイメージしたデザインとなっています。

スコアには倍率が掛かることがあり、画面上のアンテナアイコンで倍率が示されます。

自機のライフは携帯電話のバッテリー残量のようなアイコンで表示されます。

ゲーム中には、攻略のヒントや敵キャラクターの台詞などが、電子メール風のメッセージとして表示されます。

アイテム

カプセル
青カプセル：アブゾネットゲージを回復します。
緑カプセル：電波のアンテナが増えます。
四角形のアイテム
力：自機がパワーアップします。
盾：フルパワーアップ時に出現。攻撃中でもシールドが展開されます。
充：自機のライフ（バッテリー）が1つ増えます。
三角形のアイテム
点：スコアが加算されます。
網：アブゾネットゲージが最大まで回復します。
電：アンテナ本数が増加します。
化：稀に出現し、画面中の敵弾が「点」に変化します。
地上アイテム
特定の条件を満たすとライフ全回復アイテム「マイルくん」が出現します。

移植版の独自要素

ジェネリック（GC版）
スコアアタックモードの追加
最大倍率が256倍まで引き上げられた「まんぷくモード」の追加
プレシャス（PS2版）
スコアアタックモードの追加
難易度が大幅に上昇した「おかわりモード」の追加
他機種版と比べて処理落ちする場面が多い

開発

本作は、『カオスフィールド』とは対照的な作風を目指し、当時のケイブの弾幕シューティングゲームに対抗するという方針で開発されました。開発は少人数で行われ、永田大祐が音楽・世界観・タイトルを担当しました。

タイトルは、永田が花粉症だったことから、空中の物質によってアレルギー反応を起こすという物語を思いつき、当時普及していたフィーチャーフォンと関連付け、『ラジルギ』と名付けられました。

フィーチャーフォンというモチーフは、ゲーム画面の背景やユーザインタフェースにも反映されています。また、キャラクターの名前は、『新世紀エヴァンゲリオン』へのオマージュとして、漢字の姓とカタカナの名前という組み合わせが用いられました。

グラフィックは『ジェットセットラジオ』の影響を受けたトゥーンレンダリングが用いられています。

反響

『斑鳩』や『サイヴァリア』といったクールなゲームが多い中で、本作は一風変わったゲームとして受け入れられました。

評価

AMショー2005出展機種人気ランキングビデオ基板部門トップ10にランクインしました。

関連作品

カラス - トゥーンシェードや攻撃方法など、ラジルギから踏襲されています。
イルマティックエンベロープ - ラジルギやカラスを踏襲し、さらに独自性が深められました。
ラジルギノア - 続編。キャラクターの音声が追加され、2人同時プレイが可能になっています。
* ラジルギ2 - ノアから数年後を舞台とする続編です。

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