ラッタナコーシン暦

ラッタナコーシン暦は、タイ王国でかつて使用されていた紀年法の一つで、日本ではチャクリー暦、またはバンコク暦とも呼ばれています。この暦は、チャクリー王朝が創設された1782年（タイ仏暦2325年）を元年としており、タイ語では「ラッタナコーシン・ソック（รัตนโกสินทร์ศก）」と表記されます。

年代を表記する際には、「ร.ศ.」と略され、例えば「ร.ศ.131年」のように書かれます。この暦の元旦は4月1日であり、この日をもって新年とされていました。ラーマ5世の時代の記録には、ร.ศ.121年から122年の新年行事を記した一節が残されています。

ラッタナコーシン暦は、ラーマ5世の治世中の1888年（タイ仏暦2431年）に、それまで使用されていた小暦を廃止して制定されました。この年がラッタナコーシン暦の108年にあたります。しかし、この暦は比較的短期間でその役割を終えることになります。

ラーマ6世の治世に入ると、1912年（タイ仏暦2455年、ラッタナコーシン暦131年）にラッタナコーシン暦は廃止され、代わりに仏暦（タイ仏暦）が導入されました。これにより、タイの紀年法は、仏暦に統一されることになりました。

ラッタナコーシン暦は、タイの歴史の中で一時的に使用された暦であり、その期間は短いながらも、タイの文化や歴史を理解する上で重要な要素となっています。この暦が制定された背景や、仏暦への移行の歴史を学ぶことで、タイの歴史に対する理解を深めることができるでしょう。

この暦は、タイの近代史を語る上で欠かせない要素の一つであり、当時の社会や文化、政治状況を反映しています。タイの歴史を研究する際には、ラッタナコーシン暦の存在を理解しておくことが重要です。

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