ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体

ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体（CELAC）の概要

ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体（CELAC）は、アメリカ合衆国とカナダを除くアメリカ大陸の33カ国からなる国際組織です。面積は約2000万平方キロメートル、人口は6億人を超える広大な地域をカバーしています。中南米諸国の連携強化と協力促進を目的とし、政治、経済、社会、文化など多様な分野で活動しています。

CELACの設立と歴史

CELACの前身は、ラ米・カリブ首脳会議（リオ・グループ）です。2011年12月3日、ベネズエラ・カラカスで33カ国首脳会議が開催され、南米独立の英雄シモン・ボリバルの理念を継承した「カラカス宣言」と「カラカス行動計画」が採択されました。これにより、CELACは正式に発足しました。

ベネズエラが議長国を務めたこの発足会合では、当時ベネズエラ大統領だったウゴ・チャベス氏が、アメリカ合衆国主導の米州機構への批判を表明し、CELACと中国との関係強化を訴えました。中国の胡錦濤主席からの祝電も朗読されました。会合では、核兵器廃絶などに関する特別声明も発表され、国際社会への働きかけも行われました。

2015年には、中国の北京でラテンアメリカ以外での初の会合が開催されるなど、CELACは国際舞台での存在感を高めてきました。2023年には、プエルトリコの現状を国連に訴える声明を発表するなど、地域問題への取り組みも積極的に行っています。

CELACの組織と加盟国

CELACは、スペイン語、英語、ポルトガル語、フランス語、オランダ語の5つの公用語を持ちます。加盟国の言語構成は以下の通りです。

スペイン語：18カ国（面積の56%、人口の63%）
英語：12カ国（面積の1.3%、人口の1.1%）
ポルトガル語：1カ国（ブラジル）（面積の42%、人口の34%）
フランス語：1カ国（ハイチ）（面積の0.1%、人口の1.6%）
オランダ語：1カ国（スリナム）（面積の0.8%、人口の0.1%）

加盟国の地理的分布は、南アメリカ12カ国（面積の87%、人口の68%）、中央アメリカとカリブ海の21カ国となっています。

CELACの活動と役割

CELACは、加盟国間の政治・経済・社会・文化的な協力関係を強化するため、様々な活動を行っています。具体的な活動内容としては、首脳会合の開催、閣僚級会合の開催、専門家レベルでの協力、技術支援の提供などが挙げられます。

また、CELACは、ラテンアメリカ・カリブ海地域の共通の課題に対処するための政策提言も行っています。例えば、貧困削減、教育の改善、環境保護、持続可能な開発など、地域全体の繁栄に貢献するための政策立案に積極的に取り組んでいます。

CELACの将来展望

CELACは、ラテンアメリカ・カリブ海地域における統合と協力の促進において重要な役割を担っています。今後、国際社会における存在感をさらに高め、地域の発展に貢献していくことが期待されています。しかし、加盟国間の政治的・経済的な格差、多様な文化的背景、歴史的な対立など、CELACが抱える課題も少なくありません。これらの課題を克服し、地域全体の繁栄を実現するためには、加盟国間のさらなる協力と理解が不可欠です。

関連事項

国際連合ラテンアメリカ・カリブ経済委員会
スープラナショナリズム
ラテンアメリカ統合連合
ラテンアメリカ経済機構
ラテンアメリカ議会
メルコスール
南米諸国連合
米州機構
ボリバル主義

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