ラニアケア超銀河団

ラニアケア超銀河団

2014年にその存在が新たに提唱されたラニアケア超銀河団は、私たちの太陽系が属する天の川銀河を含む、広大な宇宙に存在する巨大な銀河の集まりです。この超銀河団は、ハワイ州立大学のブレント・タリー氏らが、銀河の特有な運動を解析し、銀河団の境界を定義する新しい手法を発表する中で明らかにされました。

概要と構成

この構造は、およそ10万個もの銀河を包含しており、その広がりは直径約5億2000万光年（約1億6000万パーセク）に及びます。総質量は約10¹⁷太陽質量という壮大な規模です。ラニアケアは、既知の四つの主要な超銀河団の領域を含んでおり、これには天の川銀河を含むおとめ座超銀河団や、うみへび座・ケンタウルス座超銀河団などが含まれます。全体としては約300の銀河団を含んでいると推定されています。

特徴と将来

宇宙における大規模構造の境界定義は困難ですが、ラニアケアは銀河の運動データの詳細な分析に基づいて範囲が特定されました。多くの銀河は、グレートアトラクターと呼ばれる重力的な中心へと向かう流れを示しています。しかし、ラニアケア全体は重力的に強く束縛されておらず、宇宙膨張により、将来的に構造が分散していくと予測されています。

発見手法と周辺構造

この定義では、銀河の見かけの速度から固有運動成分を分離するため、「ウィーナー・フィルタリング」という解析手法が用いられました。この結果から、ラニアケアがシャプレー超銀河団の方向へ移動している可能性が示唆され、より大きな構造の一部である可能性も指摘されています。周辺には他の巨大構造が存在しますが、明確な境界はまだ定義されていません。

名称の由来

「ラニアケア」はハワイ語に由来し、「lani」（天空、天国）と「akea」（計り知れない、広々とした）が組み合わさった言葉です。この名は、ハワイ州立大学のデイビッド・ナヴァア・ナポレオン氏により提案され、広大な太平洋を天測航法で航海した古代ポリネシアの航海者たちへの敬意を込めて名付けられました。ラニアケア超銀河団は、超空洞や銀河フィラメントといった宇宙の大規模構造の一つです。

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