ラブユー東京
ラブユー東京は、1966年4月1日に黒沢明とロス・プリモスがリリースしたシングル（規格品番：CW-460）に収められた楽曲です。彼らにとってクラウンレコード移籍後初のレコーディング作品であり、彼らの代表曲として広く認識されています。
デビューシングルとして世に送り出されたこの作品は、当初は「涙とともに」をA面、そして「ラブユー東京」をB面としていました。初回出荷枚数はわずか1000枚という控えめなスタートで、グループ自身も当初はA面曲をメインに歌唱することが多かったようです。しかし、発売から約半年が経過した頃、思わぬところから楽曲に光が当たります。山梨県甲府市のスナックやバーで働くホステスたちの間で「ラブユー東京」が注目を集め始めたのです。さらに、作曲者である中川博之氏とその友人であり、後に推理作家として名を馳せる内田康夫氏が制作に関わっていた深夜ラジオ番組で連夜この曲が流されたことも、次第にその知名度を高める大きな力となりました。
楽曲の潜在的な人気を感じ取ったロス・プリモスは、自ら全国のキャバレーやレコード店を精力的に回り、なんと18万枚にも及ぶ歌詞カードを配布するという地道なプロモーション活動を展開します。このような草の根運動に加え、有線放送でのリクエストが増加したことが追い風となり、楽曲への支持は日増しに高まっていきました。この状況を受け、発売から約1年後の1967年7月、レコード会社は大きな決断を下します。同一品番ながら、それまでB面だった「ラブユー東京」をA面に昇格させ、ジャケットデザインもロス・プリモスのメンバー写真から、夜景と女性のカラー写真へと一新した新装盤をリリースしたのです。
A面B面入れ替えとジャケット変更前の売上は累計で4〜5万枚程度でしたが、新装盤のリリース後は状況が一変します。有線放送を通じて人気に火がついた楽曲は、1967年9月からは連日1万枚以上を売り上げるようになり、ピーク時には1日に3万枚という驚異的なセールスを記録しました。この爆発的な人気を記念し、1967年12月には東京・日劇で100万枚突破記念ショーが4日間にわたって開催されるほどでした。そして、日本の音楽チャートの歴史において特筆すべき出来事が起こります。正式に集計・発表が開始されたオリコンシングルチャートの1968年1月4日付ランキングで、記念すべき初代の1位に輝いたのです。これは、公式チャート開始前から1967年時点ですでにオリコンの総合売上、有線リクエスト、ジュークボックス使用回数で1位を獲得していた実質的な人気が反映された結果と言えるでしょう。当時の歌謡曲市場はグループ・サウンズなど20歳以下の若年層をターゲットにした楽曲が主流でしたが、「ラブユー東京」はそうしたトレンドとは一線を画し、大人のリスナー層から熱烈な支持を得て異例のヒットを飛ばした点でも注目されました。
最終的に、「ラブユー東京」の累計売上は通算250万枚にも達するとされており、これは日本の歌謡曲史における驚異的な数字です。オリジナル音源は1966年のものですが、1991年には新録音版も制作されており、後のベスト盤などに両方のバージョンが収録されることもあります。
この名曲は、その後の様々な作品にも影響を与えています。1985年には、なぎら健壱氏が日本のスポーツ新聞『東京スポーツ』を題材にしたパロディ曲「ラブユー東京スポーツ」を発表しました。また、1986年にはロス・プリモス自身による続編「ラブユー東京パートII」がリリースされています。
さらに、1986年からフジテレビで放送されたバラエティ番組『オレたちひょうきん族』の人気コーナー「ラブ・ユー・貧乏」は、この曲のタイトルをもじったものでした。このコーナー企画から派生し、1987年にはロス・プリモスが歌唱する楽曲「ラブユー貧乏」もシングルとして発売され、こちらもヒットを記録しました。
多くのアーティストにもカバーされており、ザ・ピーナッツ、八代亜紀、小泉今日子、中森明菜、美川憲一、黒木憲などがこの楽曲を歌っています。また、桑田佳祐氏は子供の頃の思い出の曲として挙げており、自身のライブや父の葬儀で歌唱したり、紫綬褒章受章に際して替え歌「ラブユー褒章」を披露したりするなど、特別な思い入れがあることを語っています。山下達郎氏も、シュガーベイブの楽曲にこの曲から着想を得た単語を用いたことを明かしているほか、自身のラジオ番組で「ラブユー貧乏」を取り上げるなど、言及しています。
オリジナル版（1966年）のシングルには以下の2曲が収録されました。
涙とともに（作詞：木村伸 / 作曲・編曲：中川博之）
ラブユー東京（作詞：上原尚 / 作曲・編曲：中川博之）
続編シングル「ラブユー東京パートII」（1986年）の収録曲は以下の通りです。
ラブユー東京パートII（作詞：星野哲郎 / 作曲：中川博之 / 編曲：小杉仁三）
博多中洲は雨あがり（作詞：水木れいじ / 作曲：中川博之 / 編曲：小杉仁三）
「ラブユー貧乏」（1987年）シングルの収録曲は以下の通りです。
ラブユー貧乏（セリフ編）（作詞：高橋秀樹・上原尚 / 作曲：中川博之 / 編曲：斉藤恒夫）
ラブユー貧乏（ボーカル編）（作詞：高橋秀樹・上原尚 / 作曲：中川博之 / 編曲：斉藤恒夫）
この楽曲は、多くの人々に愛され、日本の歌謡曲史において重要な一ページを飾る作品として語り継がれています。
予想外のヒットへ
デビューシングルとして世に送り出されたこの作品は、当初は「涙とともに」をA面、そして「ラブユー東京」をB面としていました。初回出荷枚数はわずか1000枚という控えめなスタートで、グループ自身も当初はA面曲をメインに歌唱することが多かったようです。しかし、発売から約半年が経過した頃、思わぬところから楽曲に光が当たります。山梨県甲府市のスナックやバーで働くホステスたちの間で「ラブユー東京」が注目を集め始めたのです。さらに、作曲者である中川博之氏とその友人であり、後に推理作家として名を馳せる内田康夫氏が制作に関わっていた深夜ラジオ番組で連夜この曲が流されたことも、次第にその知名度を高める大きな力となりました。
地道なプロモーションと戦略転換
楽曲の潜在的な人気を感じ取ったロス・プリモスは、自ら全国のキャバレーやレコード店を精力的に回り、なんと18万枚にも及ぶ歌詞カードを配布するという地道なプロモーション活動を展開します。このような草の根運動に加え、有線放送でのリクエストが増加したことが追い風となり、楽曲への支持は日増しに高まっていきました。この状況を受け、発売から約1年後の1967年7月、レコード会社は大きな決断を下します。同一品番ながら、それまでB面だった「ラブユー東京」をA面に昇格させ、ジャケットデザインもロス・プリモスのメンバー写真から、夜景と女性のカラー写真へと一新した新装盤をリリースしたのです。
記録的な売上とオリコン初代1位
A面B面入れ替えとジャケット変更前の売上は累計で4〜5万枚程度でしたが、新装盤のリリース後は状況が一変します。有線放送を通じて人気に火がついた楽曲は、1967年9月からは連日1万枚以上を売り上げるようになり、ピーク時には1日に3万枚という驚異的なセールスを記録しました。この爆発的な人気を記念し、1967年12月には東京・日劇で100万枚突破記念ショーが4日間にわたって開催されるほどでした。そして、日本の音楽チャートの歴史において特筆すべき出来事が起こります。正式に集計・発表が開始されたオリコンシングルチャートの1968年1月4日付ランキングで、記念すべき初代の1位に輝いたのです。これは、公式チャート開始前から1967年時点ですでにオリコンの総合売上、有線リクエスト、ジュークボックス使用回数で1位を獲得していた実質的な人気が反映された結果と言えるでしょう。当時の歌謡曲市場はグループ・サウンズなど20歳以下の若年層をターゲットにした楽曲が主流でしたが、「ラブユー東京」はそうしたトレンドとは一線を画し、大人のリスナー層から熱烈な支持を得て異例のヒットを飛ばした点でも注目されました。
伝説となった名曲の広がり
最終的に、「ラブユー東京」の累計売上は通算250万枚にも達するとされており、これは日本の歌謡曲史における驚異的な数字です。オリジナル音源は1966年のものですが、1991年には新録音版も制作されており、後のベスト盤などに両方のバージョンが収録されることもあります。
この名曲は、その後の様々な作品にも影響を与えています。1985年には、なぎら健壱氏が日本のスポーツ新聞『東京スポーツ』を題材にしたパロディ曲「ラブユー東京スポーツ」を発表しました。また、1986年にはロス・プリモス自身による続編「ラブユー東京パートII」がリリースされています。
さらに、1986年からフジテレビで放送されたバラエティ番組『オレたちひょうきん族』の人気コーナー「ラブ・ユー・貧乏」は、この曲のタイトルをもじったものでした。このコーナー企画から派生し、1987年にはロス・プリモスが歌唱する楽曲「ラブユー貧乏」もシングルとして発売され、こちらもヒットを記録しました。
多くのアーティストにもカバーされており、ザ・ピーナッツ、八代亜紀、小泉今日子、中森明菜、美川憲一、黒木憲などがこの楽曲を歌っています。また、桑田佳祐氏は子供の頃の思い出の曲として挙げており、自身のライブや父の葬儀で歌唱したり、紫綬褒章受章に際して替え歌「ラブユー褒章」を披露したりするなど、特別な思い入れがあることを語っています。山下達郎氏も、シュガーベイブの楽曲にこの曲から着想を得た単語を用いたことを明かしているほか、自身のラジオ番組で「ラブユー貧乏」を取り上げるなど、言及しています。
収録曲情報
オリジナル版（1966年）のシングルには以下の2曲が収録されました。
涙とともに（作詞：木村伸 / 作曲・編曲：中川博之）
ラブユー東京（作詞：上原尚 / 作曲・編曲：中川博之）
続編シングル「ラブユー東京パートII」（1986年）の収録曲は以下の通りです。
ラブユー東京パートII（作詞：星野哲郎 / 作曲：中川博之 / 編曲：小杉仁三）
博多中洲は雨あがり（作詞：水木れいじ / 作曲：中川博之 / 編曲：小杉仁三）
「ラブユー貧乏」（1987年）シングルの収録曲は以下の通りです。
ラブユー貧乏（セリフ編）（作詞：高橋秀樹・上原尚 / 作曲：中川博之 / 編曲：斉藤恒夫）
ラブユー貧乏（ボーカル編）（作詞：高橋秀樹・上原尚 / 作曲：中川博之 / 編曲：斉藤恒夫）
この楽曲は、多くの人々に愛され、日本の歌謡曲史において重要な一ページを飾る作品として語り継がれています。
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