ラブリオ

ラブリオ（Λαύριο）

ラブリオは、ギリシャのアッティカ地方南東部に位置する美しい港町です。この町は古代ギリシアでは「ラウリオン」として知られ、特に銀の豊富な産出地として名を馳せていました。現在、ラブリオはラヴレオティキ市の一部を成し、政庁所在地として機能しています。

名称の変遷

ラブリオの歴史は非常に豊かで、古代ギリシア語では「ラウリオン」として言及されていました。その後、少なくとも11世紀まで「トリコス」、さらには中世から19世紀にかけて「エルガスティリ」と名前が変化しています。ラテン語では「ラウリウム」と表現され、これも広く使用されています。

歴史的背景

ラウリオンは、古代ギリシアにおける重要な銀の産出地であり、特にアテネの財政基盤の一翼を担っていました。産出された銀は主に銀貨として鋳造され、アテネの海軍力を強化するのにも寄与しました。マラトンの戦い（紀元前490年）の後、政治家テミストクレスは、アテネ市民を説得し、ラウリオンの銀山からの収益を元に艦隊を増強しました。この地域の鉱山は主に奴隷労働によって支えられ、過酷な労働環境が問題視されていました。

現在のラブリオ

今日のラブリオは、アテネから約60キロメートル南東に位置し、周辺には美しい自然景観が広がっています。街は海に面しており、正面にはマクロニソス島を望むことができます。市街地は港を中心に格子状に広がっており、ギリシャの国道GR-89が通っています。この国道は、南のスニオまで接続されています。

銀山の歴史

古代から続くラウリオンの銀山は、紀元前5世紀にはすでに産出量が減少していましたが、その後も採掘は続けられました。ストラボンやパウサニアスといった古代の歴史家は、ラウリオンの鉱山が衰退していった様子を記録していますが、その採掘技術は現代でも観察されることがあります。具体的には、竪坑や坑道を利用した採掘法が行われており、鉱石の選別も行われていました。また、20世紀初頭にはフランスとギリシャの企業が鉱山の再開発に取り組み、鉛やマンガンなどが主に採掘されました。

交通アクセス

ラブリオへのアクセスも便利で、アテネ国際空港からは約35キロメートル、車で30分ほどの距離です。自動車を利用すれば、アッティキ・オドスを経由し、アテネまで約1時間で到達することができます。さらに、パークアンドライドを利用すれば、コロピ鉄道駅からアテネ中心部に行く列車に乗ることができ、移動がさらにスムーズです。

過去にはアテネ＝ラブリオ鉄道も存在していましたが、1957年に廃線となり、現在はその記憶も薄れてしまいました。このように、ラブリオは古代の歴史に深く根ざした町でありながら、現代においても魅力的な場所であることがわかります。

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