ラムネ (映画)

ラムネ

2010年に日本の劇場で公開された映画『ラムネ』は、「avexニュースター・シネマ・コレクションvol.2」の一本として制作されました。青春の光と影を描き出し、北海道で開催されたゆうばり国際ファンタスティック映画祭にも参加するなど、注目を集めた作品です。

物語の概要

物語の舞台は、高校生活最後の夏を迎えた主人公、陽介の日常です。美術大学への進学という夢を諦めきれないでいる陽介に、美術教師は特別な課題を与えます。それは、合格への最後の機会となる人物画の制作でした。しかし、極度の奥手である陽介にとって、女性モデルを見つけることは容易ではありません。試行錯誤する日々が続きます。

そんなある日、陽介は夜間部の教室で、自分と同じ席に座る一人の少女と出会います。彼女の名はルミ。どこか掴みどころがなく、自由奔放な雰囲気を纏ったルミは、陽介に突然、自身のモデルになることを申し出ます。

戸惑いつつも、ルミをモデルにした人物画の制作を開始する陽介。予測不能な言動を繰り返すルミに振り回されながらも、キャンバスに向かう時間は、陽介にとってかけがえのないものとなっていきます。絵が次第に形を成していくにつれて、陽介はルミの持つ不思議な魅力に強く惹かれていく自分に気づき始めます。淡い恋心が芽生え、二人の距離は少しずつ縮まっていくかに見えました。

しかし、ついに絵が完成した、ある夏の朝。陽介がルミに絵の完成を告げようとした時、ルミは陽介の前から忽然と姿を消してしまうのでした。彼女は一体何者だったのか、そしてなぜ消えたのか。ルミとの出会いと別れを通して、陽介は青春の不確かさや、一瞬の輝きの中に存在する切なさを学び、画家としてだけでなく、人間としても成長を遂げていきます。ひと夏の儚い出会いが、陽介の心に深く刻まれる物語です。

キャスト

本作を彩る出演者たちは以下の通りです。

陽介：與真司郎
大黒：前川紘毅
：西田有沙
落合真紀：指出瑞貴
ルミ：清水美花
：烏丸せつこ
：江口のりこ
：津川雅彦

主人公・陽介を人気グループAAAのメンバーである與真司郎が演じ、ヒロインのルミ役は清水美花が務めました。ベテランから若手まで、個性豊かな俳優陣が作品世界を構築しています。

スタッフ

映画の完成に貢献した主なスタッフは以下の通りです。

監督：篠原哲雄
脚本：鹿目けい子、日比野ひとし
プロデューサー：佐藤浩輝、平埜敬太
撮影：上野彰吾
音楽：野崎美波
配給：エイベックス

監督は数々の作品を手がける篠原哲雄が務め、繊細な青春の機微を丁寧に描き出しています。脚本は鹿目けい子と日比野ひとしが担当し、若者の心の揺れ動きを捉えました。また、音楽は野崎美波が担当し、物語の抒情的な雰囲気を盛り上げています。

作品情報

上映時間：98分
ロケ地（学校）：明治大学付属明治高等学校
* 主題歌：「君がいれば」／前川紘毅 feat. 與真司郎

物語の重要な舞台となる学校のロケ地は、明治大学付属明治高等学校で行われました。主題歌は、キャストとしても参加している前川紘毅が與真司郎をフィーチャーした楽曲が使用され、映画の感動的なクライマックスを彩っています。

この映画は、絵を描くという創造的な行為と、予測不能な出会いがもたらす青春期の不安定で美しい瞬間を描いた作品と言えるでしょう。

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