ラリアット

ラリアット (Lariat)

概要

ラリアットは、プロレスリングにおける特殊な攻撃技の一つです。この技は、片腕を横に伸ばし、相手の喉や胸を狙って強く叩きつける動作から成り立っています。アメリカでは「クローズライン（Clothesline）」、メキシコでは「アンティプラソ」という名称でも知られています。

1970年代後半に新日本プロレスでスタン・ハンセンがこの技を「ウエスタン・ラリアット（西部式投げ縄打ち）」として公開して以来、日本のプロレス界で広く受け入れられるようになりました。ハンセンはこの技を、自身のアメリカンフットボールの経験から派生したオリジナル技と主張しており、衝撃を受け止める柔軟で強靭な下半身が必要だと言っています。

アメリカのプロレスリングでは、ハーンセンに限らず多くのレスラーがこの技を使用していますが、技の使い手には大型レスラーが多いことが特長です。ハンセンの場合、リング上での存在感と、その技の破壊力からスーパースターとしての地位を確立しました。

ラリアットの歴史

ハンセンに影響を受けて、他のレスラーたちもラリアットを自身のフィニッシュ・ホールドとして取り入れるようになりました。例えば、ハルク・ホーガンは、ハンセンの技を基にした改良版を「アックスボンバー」として使用し、ラリアットとは異なる独自のスタイルを確立しました。

1980年代に入ると、ハンセン以外のレスラーもこの技を使い始め、特に長州力はハンセンのバリエーションを受け継ぎ、自身の必殺技「リキ・ラリアット」として知られるようになりました。このように、日本のプロレス界ではラリアットが重要な技の一つとして位置づけられ、様々なバリエーションが誕生していくのです。

ラリアットの変種

ラリアットには多くのバリエーションが存在するため、単に「ラリアット」と呼ばずに、より具体的な名称が付けられることも多いです。

• - 助走式ラリアット: 最も基本的なスタイルで、助走をつけて腕を振り下ろします。
• - 叩き付け式ラリアット: 助走を取り、腕を下から上へ叩きつけるようにする技です。
• - 倒れ込み式ラリアット: 前のめりに倒れ込むようにラリアットを放つスタイルです。
• - 座り込み式: 相手にラリアットを決めた後、自らも座り込み、ダメージを与える効果を狙います。

また、相手に予測されにくい動きを取り入れた「居合抜き式」や「引き込み式」といった技法も人気です。これらは、特にレスラー同士の真剣勝負において、その戦略の差が表れる部分でもあります。

ラリアットの受け方

ラリアットを受けた際には、主に後ろ受け身をとる形式が通常とされています。打たれた瞬間に高い衝撃が加わるため、相手が後頭部に負担をかけないようにするための工夫が重要です。しかしながら受け方においても工夫があり、例えば相手の腕の下をくぐる技や、逆にラリアットで返す技法など、バリエーションは多岐にわたります。このような受け方は、スリルを高め、観客を魅了させるための重要な要素です。

結論

ラリアットは、そのシンプルな動作に見え時には大きなインパクトを持ち、多くのレスラーが使用している技です。スタン・ハンセンがこの技を広め、日本のプロレス界においても多くの変種が生まれました。プロレスの中でラリアットは様々な戦略やスタイルの一部となり、その独自の魅力を持っています。

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