ラリー・ウィルソン (アメリカンフットボール)

ラリー・ウィルソン（Larry Frank Wilson, 1938年3月24日 - 2020年9月17日）は、アメリカンフットボール界に名を残す名選手です。アイダホ州リグビーで生まれ育ち、その才能を開花させました。

ユタ大学に進学したウィルソンは、ランニングバックとコーナーバックという、オフェンスとディフェンスの両方で才能を発揮しました。その多才さを示す活躍ぶりでした。

しかし、プロの世界は甘くありませんでした。1960年のNFLドラフトで、シカゴ・カージナルスから7巡目という低い評価での指名となりました。さらに、チームはドラフト直後にセントルイスへ移転するという状況でした。

カージナルスのディフェンシブコーディネーターは、セイフティがブリッツを仕掛けるという革新的なシステムを考案していました。しかし、それを実行できる選手がいないと諦めかけていた時、ウィルソンが入団します。ウィルソンの能力を見抜いたコーチは、彼をセイフティにコンバートし、ついに新システムを実行に移しました。これは、ディフェンスバックがクォーターバックにプレッシャーをかけるという、当時のNFLにはなかった戦術であり、リーグに衝撃を与え、その後の守備戦術に大きな影響を与えました。

13年間の現役生活で、ウィルソンはオールプロファーストチームに6回、プロボウルに8回選出されるという輝かしい実績を残しました。1966年には、7試合連続インターセプトという記録を打ち立て、このシーズンは10インターセプトでインターセプトリーダーに輝きました。

1972年シーズンに引退したウィルソンは、10年以上のキャリアを持ちながら、プレーオフを経験することなくユニフォームを脱ぎました。しかし、彼の貢献はフィールドだけに留まりませんでした。

引退後、ウィルソンはカージナルスのフロント入りし、副監督兼スカウティングディレクターに就任しました。その後も、ゼネラルマネージャーなど様々な役職を歴任し、チームを支え続けました。1988年にチームがアリゾナに移転してからも副社長としてチームに貢献し、2003年に退任するまでその地位にありました。

2020年9月17日、ウィルソンはアリゾナ州スコッツデールで82歳で亡くなりました。しかし、彼の功績は永遠に語り継がれるでしょう。

1978年には、有資格初年度でプロフットボール殿堂入りを果たし、その偉業が讃えられました。さらに、NFL75周年記念チーム、NFL100周年記念チームにも選出され、彼はアメリカンフットボールの歴史に名を刻みました。

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