ラリー・カタルーニャ

ラリー・RACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダ：スペインを代表するWRCイベント

ラリー・RACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダ（Rally RACC Catalunya-Costa Daurada）は、世界ラリー選手権（WRC）の主要イベントの一つとして、スペインのカタルーニャ州を舞台に開催されるラリーです。別名ラリー・デ・エスパーニャ（Rally de España）とも呼ばれ、スペインを代表するモータースポーツイベントとして知られています。

歴史と変遷

このラリーは、1916年から開催されていたラリー・カタルーニャと、1953年から開催されていたラリー・コスタ・ブラバという、それぞれヨーロッパラリー選手権（ERC）の一戦だった二つのラリーが、1988年に統合される形で誕生しました。その後、1991年からWRCカレンダーに仲間入りを果たし、現在に至っています。WRCイベントとしては比較的歴史が浅いものの、多くの観客を魅了し、特に地元スペインの英雄、カルロス・サインツ選手が活躍した時代には、熱狂的な声援が送られました。

開催地は当初、バルセロナの東部、コスタ・ブラバ周辺でしたが、2005年からは西部のコスタ・ドラダ（黄金海岸）に移転。コスタ・ドラダの中心都市であるサロウを拠点とし、大規模テーマパークであるポートアベンチュラにヘッドクォーターとサービスパークが設置されています。

コース面では、初期はグラベル（未舗装路）とターマック（舗装路）の両方を組み合わせたミックスサーフェスでしたが、1993年からは高速ターマックコースへと変更されました。しかし、国際自動車連盟（FIA）の規制緩和に伴い、2010年から再びミックスサーフェスへと回帰。現在では、DAY1をグラベル、DAY2とDAY3をターマックとする、独特のフォーマットが採用されています。DAY1終了後のサービスでは、サスペンション、ブレーキ、ディファレンシャル、タイヤなどをターマック仕様に変更するための作業が行われ、通常45分の制限時間に対し、このイベントでは75分間に延長されるなど、その準備期間の重要性が強調されています。

1994年を除き、毎年継続して開催されてきましたが、2020年を最後にWRCカレンダーから一時的に姿を消しました。しかし、2021年には見事カレンダー復帰を果たし、再びスペインのモータースポーツシーンを盛り上げています。復帰後は、高速ターマックコースのイベントとして開催されています。

コースの特徴と魅力

ラリー・RACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダの特徴は、何といっても高速ターマックコースにあります。地中海沿岸特有の美しい景観の中を駆け抜けるコースは、ドライバーにとって高度なテクニックと集中力、そして高い車両性能が求められます。また、多くの観客がコース沿いに詰めかけ、熱狂的な雰囲気の中でラリーが展開されるのも大きな魅力です。

近年は、環境問題への配慮も進められており、サステナブルなイベント運営にも力を入れています。

まとめ

ラリー・RACC・カタルーニャ-コスタ・ドラダは、歴史と伝統、そして現代的な要素を融合させた、スペインを代表するWRCイベントです。美しい景色、高速ターマックコース、熱狂的な観客、そして最新の技術が融合したこのラリーは、今後も世界中のモータースポーツファンを魅了し続けることでしょう。

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