ランジェリーボウル

ランジェリーボウル（Lingerie Bowl）は、アメリカ合衆国の国民的スポーツイベントであるスーパーボウルのハーフタイムを利用して開催された、女性選手によるインドアフットボール形式の試合です。

このユニークなイベントは、2004年に行われた第38回スーパーボウルの開催日に対戦が初めて組まれました。選手が着用する露出度の高いユニフォームが大きな特徴であり、その名の由来となっています。

試合の概要と初期の展開

ランジェリーボウルの試合形式は、7人制のフルコンタクト・アメリカンフットボールに準拠していました。選手はショーツやスポーツブラの上に最低限の防具を装着してプレーに臨みました。このイベントはペイ・パー・ビュー方式で放送され、初期から世界中の数百万人が視聴したとされています。試合のハーフタイムには、ウィラ・フォード、ジェニー・マッカーシー、デニス・ロッドマン、チンギー、エリック・ディッカーソン、ローレンス・テイラー、シンディ・マーゴリス、トレイシー・ビンガム、ジム・マクマーンといった、芸能界やスポーツ界の様々な分野から著名なセレブリティや人気アーティスト、元NFL選手などがゲストとして登場し、大会に華を添えました。

リーグへの発展と名称変更

大会の認知度向上と共に、より組織的な運営を目指す動きが生まれました。2009年に開催された第7回大会を契機に、このイベントはランジェリー・フットボール・リーグ（LFL）というリーグ戦の年間チャンピオン決定戦としての性格を帯びるようになります。毎週金曜日にリーグ戦を行い、そのシーズンの締めくくりとして、カンファレンス優勝チーム同士がランジェリーボウルで対戦する形式が採用されました。

そして、2013年からはリーグ名が「レジェンズ・フットボール・リーグ」（略称は引き続きLFL）に改称されるとともに、大会名も「ランジェリーボウル」から「レジェンズ・カップ」（Legends Cup）へと変更されました。これは、大会のイメージをよりスポーツ性を強調したものへと転換させる意図があったと見られています。

歴史を彩った記録

ランジェリーボウルとして開催された第1回から第9回（2004年-2012年）までの主な記録は以下の通りです。

第1回（2004年）: チームドリームがチームユーフォリアを6対0で破り、初代チャンピオンに輝きました。
第2回: ロサンゼルス・テンプテイションがニューヨーク・ユーフォリアを下しました。
第3回: ニューヨーク・ユーフォリアがロサンゼルス・テンプテイションに13対12の接戦で勝利しました。
第4回（2007年）および第5回（2008年）: これらの大会は中止となりました。
第6回（2009年予定）: フロリダ州のヌーディストリゾートでマイアミ・カリエンテ対タンパ・ブリーズの試合が計画されていましたが、ヌーディストがテレビに映り込む可能性が懸念されたため、直前に中止となりました。
第7回（2010年）: LFLのイースタン・カンファレンス代表シカゴ・ブリスとウェスタン・カンファレンス代表ロサンゼルス・テンプテイションが対戦。ロサンゼルスが27対14で勝利しました。この試合はインターネット中継されましたが、サーバーにトラブルが発生する事態となりました。
第8回: ネバダ州ラスベガスのトーマス&マック・センターで開催され、ロサンゼルス・テンプテイションがフィラデルフィア・パッションを26対25という僅差で破りました。この試合には約3000人の観客が集まり、前回の反省から放送はペイ・パー・ビュー形式で行われました。
第9回（2012年）: ロサンゼルス・テンプテイションがフィラデルフィア・パッションを28対6で破り、ランジェリーボウルとしての最終大会を制しました。

ランジェリーボウルは、そのユニークなコンセプトと時期的な戦略により注目を集めましたが、後にリーグとしての体制を整え、「レジェンズ・カップ」へと発展的に名称を変更し、現在に至るスポーツイベントの基礎を築きました。

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