ランデヴー・イン・ニューヨーク

ランデヴー・イン・ニューヨーク

『ランデヴー・イン・ニューヨーク』（Rendezvous in New York）は、著名なジャズピアニストであるチック・コリアが2001年12月にニューヨークのブルーノートで録音し、2003年に発表したライブアルバムです。本作は、日本で先行発売されたことでも知られています。

背景と録音

2001年12月、チック・コリアはニューヨークのブルーノートにて、約3週間にわたって9つの異なる編成で計18公演を行いました。このライブアルバムは、その特別な公演のダイジェスト版となっており、クレジットされているミュージシャンたち以外にも、ベラ・フレックやジョージ・ベンソン、ダイアン・リーヴス、ゲイル・モランといった著名なアーティストも飛び入りで参加しました。

さらに、2004年には各編成による公演を収録した9枚組のDVDボックスセット『ランデヴー・イン・ニューヨーク』が限定発売され、翌2005年にはアメリカでボーナスディスクを含む10枚組DVDもリリースされました。

興味深いことに、アルバムの収録曲「アルマンドズ・タンゴ」では、メンバーのスティーヴ・ウィルソンとティム・ガーランドがそれぞれ別の楽器を演奏しています。ウィルソンはクラリネット、ガーランドはバスクラリネットを担当しました。

反響と評価

『ランデヴー・イン・ニューヨーク』はアメリカのビルボードジャズアルバムチャートで17位に達するなど高い評価を得ました。さらに第46回グラミー賞では、収録曲「マトリックス」が最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・ソロ賞を受賞し、本作は最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム賞にノミネートされました。また、収録曲「アルマンドズ・ルンバ」も最優秀インストゥルメンタル編曲（ボーカルあり）賞にノミネートされています。

オールミュージックのKen Dryden氏は、本作に5点満点中4点を付け、「チック・コリアのファンならずとも、この豊かなライブ音源に感銘を受けることは間違いない。さらに、彼の作品を未体験の方には入門編として最適である」と評しています。また、『ガーディアン』のJohn Fordham氏も同様に4点を付け、特に「アランフェス協奏曲〜スペイン」のメドレーが見所であると指摘し、「ラテン音楽の活気に満ちた和声といった要素が組み合わさった、ド派手な演奏」と賞賛しています。

収録曲一覧

ディスク1

• - アルマンドズ・ルンバ - 4:58
• - ブルー・モンク - 5:34
• - アランフェス協奏曲〜スペイン - 8:14
• - マトリックス - 10:47
• - グラス・エンクロージャー/テンパス・フュジット - 16:10
• - クリスタル・サイレンス - 10:01
• - ベッシーズ・ブルース - 8:37

ディスク2

• - 枯葉 - 11:35
• - アルマンドズ・タンゴ - 12:10
• - アランフェス協奏曲〜スペイン - 13:25
• - ライフライン - 12:02
• - カルテット#2、パート1 - 11:43
• - ハイ・ワイアー（ボーナストラック） - 3:53

参加ミュージシャン

チック・コリアをはじめ、ボビー・マクファーリンやミロスラフ・ヴィトウスなどが参加しており、それぞれが個性豊かな演奏を披露しています。また、ゴンサロ・ルバルカバやチャカ・カーンといった著名なアーティストも参加しており、聴きごたえのある内容に仕上がっています。

このアルバムは、チック・コリアの音楽的深さと多様性を再確認させる名盤であり、ジャズファンにとっては必聴の一枚です。

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