ランドーアソシエイツ

ランドーアソシエイツ（Landor Associates）

ランドーアソシエイツは、アメリカのサンフランシスコで創業された企業で、製品や企業のブランディングを専門としています。企業のコーポレートアイデンティティ（CI）、ネーミング、パッケージデザインなどを広く手がけており、世界で最も影響力のあるデザインおよびブランディング企業の一つとして知られています。ランドーは大手広告代理店のWPPグループに属し、国際的に展開するオフィスを通じて多様なクライアントにサービスを提供しています。

設立と歴史

1941年にドイツ系移民のウォルター・ランドーが妻のジョセフィーヌと共に設立しました。当初はサンフランシスコのロシアン・ヒルにあるアパートをオフィスとして使用していましたが、1964年には改装されたフェリーボート「クラマス号」に本社を移転し、20年間にわたって利用されました。このクラマス号は、後に同社のシンボルとなりました。

1989年にランドーは広告代理店ヤング・アンド・ルビカムに買収され、その子会社となりました。その後、2000年にヤング・アンド・ルビカム自体がWPPグループに買収され、ランドーもその傘下に入ることになります。2021年にはデザインコンサルタントのフィッチとの合併により「ランドー＆フィッチ」という社名に変更しましたが、2023年に再び「ランドーアソシエイツ」に戻しています。

グローバル展開

本社のサンフランシスコの他に、ランドーアソシエイツは東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ、メキシコシティ、ムンバイ、香港など、世界21都市にオフィスを展開しています。約800名の多国籍な専門スタッフが在籍し、グローバルなブランディングとデザインサービスを提供しています。特に東京オフィスは1972年に開設され、200社以上の日本企業とコンサルティングを行っています。

ランドーアソシエイツのデザインは、品質の確保とクライアントの知的財産権の保護を目的とし、社内デザイナーたちが手がけることに注力しており、デザイナーの名前を公開しない方針を採っています。

ウォルター・ランドー・コレクション

ウォルター・ランドーが手がけたデザインや歴史的資料は、1994年にスミソニアン協会の米国歴史博物館に「ウォルター・ランドー・コレクション」として収蔵され、彼の業績を後世に残す重要な資料の一つとなっています。

代表的なプロジェクト

ランドーアソシエイツが関与した著名なプロジェクトには、金融業界のモルガン・スタンレーやシティグループ、HSBC、運輸業界のアリタリア-イタリア航空やシンガポール航空、そして製造業のプロクター・アンド・ギャンブル（P&G）などが含まれます。また、日本国内では、郵政グループやJCB、新日本石油（ENEOS）など、多くの有名企業のブランディングを手がけています。

ランドーアソシエイツは、ブランディングとデザインの世界でのリーダーとして、その創造力と戦略的アプローチを通じてクライアントのブランド価値を高め続けています。

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