ランボルギーニ・ミウラ

ミウラ（Miura）

ミウラは、イタリアの自動車メーカーランボルギーニによって開発されたスーパーカーで、1966年のジュネーヴ・モーターショーで初めて姿を現しました。このモデルは、1973年までに759台が生産され、その独自のデザインと性能から自動車業界に強烈な印象を残しました。

概要

ミウラは、マルチェロ・ガンディーニによる流麗なデザインが特徴で、大排気量のV型12気筒エンジンを横置きでミッドシップに搭載しています。最初に発表された際の諸元によれば、最大出力は350馬力、車両重量は980kg、最高速度は300km/hという性能を誇っていました。実際の測定値でも、ミウラP400Sが278km/hを記録しているほどです。

特筆すべき点は、当時としては珍しいミッドシップエンジンのレイアウトの採用です。この構造は多くのスポーツカーに影響を与え、特に欧州のレーシングチームにおいてスタンダードとなっていきました。開発にはジャンパオロ・ダラーラが関与し、エンジンの改良はパオロ・スタンツァーニが行いました。

2004年にはスポーツカー専門誌「スポーツカー・インターナショナル」から、1960年代と1970年代のベストスポーツカーとして高く評価されました。今日では、クラシックカーとしての価値が著しく向上し、オークションでは1億円を超える価格が付くことも珍しくなくなっています。

モデルの変遷

ミウラの開発は、1965年に発表されたコンセプトモデルTP400から始まりました。ボディは未完成でしたが、そのコンパクトなプロポーションと低重心設計は高く評価され、後のミウラの基礎となりました。初の市販型であるP400は1967年に誕生し、ユニークなポップアップ・ヘッドライトやシャープな外観が注目を集めました。

続いて改良型のP400Sが1968年に発売され、最高出力が370馬力に向上し、さらには内装の充実や排気システムの改良がなされました。最終モデルとなるP400SVは1971年に発表され、385馬力に増強されたエンジンを搭載し、さらなるパフォーマンス向上を図りました。また、デザインも一部改良され、よりアグレッシブな印象を与えています。P400SVは147台生産され、このモデルがミウラの生産終了を告げました。

カスタムモデル

独自のカスタムモデルとしては、オープンカーのミウラロードスターや、競技用に改造されたイオタなどがあります。ミウラロードスターはブリュッセル・モーターショーに出品され、その革新的なデザインが注目されました。イオタは、国際自動車連盟の規定に適合させるために特別に製作されたモデルです。

車名の由来

「ミウラ」という名は、スペインの闘牛牧場の名前に由来し、そのオーナーであるドン・アントニオ・ミウラにちなんで名付けられました。車名の構成要素も特徴的で、Pは「後ろ」を意味するPosteriore、400は排気量を示す数字、SやSVはそれぞれ特別にチューニングされたことを示します。

ミウラはその独特のスタイルと性能から、スーパーカーの草分けとされる存在であり、今なお多くの自動車ファンに愛されているモデルです。

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