ラヴ・カムズ・トゥ・タウン

U2 - ラヴ・カムズ・トゥ・タウン (feat. B.B.キング)

「ラヴ・カムズ・トゥ・タウン」（原題：When Love Comes to Town）は、アイルランドのロックバンドU2が、ブルース・レジェンドB.B.キングと共演した楽曲です。この曲は、1988年に発表されたU2のアルバム『魂の叫び』に収録され、1989年にシングル・カットされました。

制作の背景

この楽曲は、B.B.キングが1987年にダブリンで行ったライブにU2のメンバーが訪れたことがきっかけで生まれました。キングはU2に自分のために曲を書いてほしいと依頼し、それが実現したのが「ラヴ・カムズ・トゥ・タウン」です。ボノが書いた歌詞について、キングはその若さでこのような深みのある曲を書けることに感銘を受けたと語っています。一方、ボノもキングのギターだけでなく、その歌声の素晴らしさに改めて驚いたそうです。

スタジオ・バージョンはメンフィスのサン・スタジオで録音されました。また、映画『魂の叫び』では、1987年11月24日に行われたテキサス州フォートワース公演のリハーサルと本番の模様が使用されています。この曲は、U2とB.B.キングそれぞれのライブで演奏されており、B.B.キングのライブ・バージョンは、1990年録音のライブ・アルバム『ライヴ・アット・ジ・アポロ』で聴くことができます。

本作は、グラミー賞最優秀ロック・パフォーマンス（グループ）部門にノミネートされるなど、高い評価を受けました。

Love Townツアーでの共演

Love Townツアーでは、B.B.キングがU2と共にニュージーランド、日本、ドイツ、オランダを回り、アンコールの際にステージに登場して「Angel of Harlem」や「Love Rescue Me」と共にこの曲を歌いました。このU2との共演によって、キングの知名度は飛躍的に向上しました。

多様なバージョン

シングル盤には、アルバムに収録されたバージョンに加え、リミックス・バージョンも収録されています。また、ミュージック・ビデオも複数制作されており、映画『Rattle and Hum』からの映像を使用したものや、アメリカ各地の風景を映し出したものなどがあります。

ライブでの演奏

キングは自身のライブでこの曲を演奏していましたが、U2はZoo TVツアー以来、長らくこの曲を封印していました。しかし、2015年5月15日、B.B.キングが亡くなった直後のI&Eツアー・バンクーバー公演で、ボノは「ブルースを愛する人にとって特別な時だ。世界が、偉大なるB.B.キングにさよならを言う日だ。本当に特別なモーメントだ」と語り、22年ぶりにこの曲を演奏しました。

カバー・バージョン

ハービー・ハンコックが2005年に発表したアルバム『ポシビリティーズ』には、ジョニー・ラングとジョス・ストーンをフィーチャリングしたカバー・バージョンが収録されています。

B面曲について

シングルのB面には、パティ・スミス・グループの「Dancing Barefoot」のカバーが収録されています。また、「God Part II (Hard Metal Dance Mix)」は、『The Joshua Tree』『Rattle and Hum』期と『Actung Baby』期のU2を繋ぐ作品として評価されています。

受賞歴

1989年MTVビデオミュージックアワード最優秀フィルムビデオ賞を受賞。

「ラヴ・カムズ・トゥ・タウン」は、U2とB.B.キングという異なるジャンルのアーティストが融合し、音楽の力で人々を繋ぐ普遍的なテーマを歌い上げた名曲として、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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