ラースロー4世 (ハンガリー王)

ラースロー4世（1262年 - 1290年）

ラースロー4世は、アールパード朝ハンガリー王国及びクロアチアの国王であり、在位は1272年から1290年までです。彼の母エルジェーベトは、ハンガリーに移住したクマン人の族長の娘でした。ラースローは、7歳のときにシチリア王カルロ1世の三女エリザベッタとの結婚が決まりましたが、彼が成人する前にハンガリーの王位を継承することとなりました。

幼少期と王位継承

ラースローの父はイシュトヴァーン5世であり、彼の統治は成立しなかったため、国は多くの貴族集団の争いの舞台となりました。1272年、ラースローは反乱者グトケレド・ヨアキムに捕らえられ、その後、父の死を知ることとなります。未成年ながらもラースローは、名目上は母エルジェーベトの摂政団に支えられて統治することにりますが、実際には貴族の党派によって支配されていました。

成人と政争

ラースローは1277年、成人としての権利を宣言し、グトケレド・ヨアキムの計画を打ち破り、反乱者たちと向き合います。その後、彼はローマ王ルドルフ1世との同盟を結び、ボヘミア王オタカル2世との戦争に突入します。1280年には教皇特使フィリッポの支持を受け、その後、教会とクマン人との間での対立が深刻化しました。

ラースローの時代、クマン人の存在は重要であり、彼はこの異教徒たちに対してキリスト教徒としての生活様式を強制しようと試みましたが、彼らはそれに従わず、次第に関係は悪化していきました。1282年にはハンガリー南部でクマン人の侵入に対応し、彼の軍はこれに立ち向かいました。

政治と私生活の混乱

1285年より、ジョチ・ウルスの侵入によりハンガリーは再び危機に直面します。ラースローのクマン人への偏向は、彼に対する貴族の信頼を低下させ、多くの反発を招きました。彼は最終的にエルジェーベト妃を投獄し、クマン人の愛人アユダと共に暮らすようになりました。

晩年と死

1286年には、彼は教会から破門され、1290年にはクマン人の刺客によって暗殺されました。その後、教皇からの調査が行われ、彼の葬儀はブダの大聖堂に埋葬されました。ラースロー4世の治世は、ハンガリーの政治情勢及び民族間の対立を象徴するものであり、彼の死はこの時代の混乱を象徴するものでした。

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