ラーマ・ラーヤ

ラーマ・ラーヤの生涯と役割

ラーマ・ラーヤ（Rama Raya, 1485年 - 1565年1月23日）は、南インドにあったヴィジャヤナガル王国の摂政として知られる重要な政治家です。彼は王の娘婿であり、クリシュナ・デーヴァ・ラーヤの義理の息子としての地位を持ちました。このため、彼は「アリヤ・ラーマ・ラーヤ」という名でも呼ばれ、両地方の支配者として名を馳せました。

王の娘婿としての役割

1505年に、ヴィーラ・ナラシンハ・ラーヤがトゥルヴァ朝を創始した際、ビジャープル王国からの侵攻をラーマ・ラーヤは撃退しました。この戦いで彼の名は広まり、1509年に彼の義弟となったクリシュナ・デーヴァ・ラーヤの治世では、かなりの権力を持つこととなります。ラーマ・ラーヤはチャンドラギリとプリカットの地域との関係を密に保ち、「マハーマンダレーシュヴァラ」と称される地位にまで上り詰めました。

王国の実権を握る

1529年、クリシュナ・デーヴァ・ラーヤが死去すると、ラーマ・ラーヤは宰相とその後継を巡る権力争いに巻き込まれました。アチュタ・デーヴァ・ラーヤが王として推されますが、彼と宰相との関係が悪化し、権力闘争が続きました。ラーマ・ラーヤはアチュタ・デーヴァ・ラーヤに対してクーデターを試みましたが、成功には至りませんでした。この間も彼は権力を維持し続け、1542年にはサダーシヴァ・ラーヤを王として擁立することになりました。

政治的な施策

ラーマ・ラーヤは王国の安定を図るため、周辺国、特に北方のデカン・スルターン朝との関係を巧みに操りました。これにより王国内の政治的安定をもたらし、アフマドナガル王国やビジャープル王国との戦闘においても優位に立つことができました。彼は軍の強化に注力すると同時に、外敵との同盟関係を構築しました。

1549年以降も彼は攻撃を続け、特にビジャープル王国との同盟により、アフマドナガル王国に対して多くの勝利を収めました。1559年にはポルトガルのサントメ居留地を攻撃し、彼の影響力がいかに拡大していたかを示す出来事となりました。

ターリコータの戦い

だが、1564年末にはデカン・スルターン朝の連合軍が結成され、彼らはヴィジャヤナガル王国に対して攻撃を仕掛けます。在年80を超えたラーマ・ラーヤは弟と共にこれに立ち向かいましたが、1565年1月23日にターリコータの地で撃たれ、捕らえられた後に命を落としました。この戦いでは、ヴィジャヤナガル王国の軍が大打撃を受け、約10万人の兵士が失われるという悲劇が起きました。

死後の影響

ラーマ・ラーヤの死はヴィジャヤナガル王国にとって致命的な損害となり、その後の王国の力の均衡は大きく変わることになります。以降、王国はビジャープル王国とゴールコンダ王国からの侵攻に苦しむことになります。ラーマ・ラーヤの甥、ヴェンカタ2世の治世の下で再び復活を果たすことになるまで、王国は長い間不安定な時期を過ごしました。

このように、ラーマ・ラーヤの存在はヴィジャヤナガル王国の形成と歴史において欠かせないものでした。

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