リアジェット60

リアジェット60：ビジネスジェットの代表格

リアジェット60は、ボンバルディア・エアロスペースがリアジェットブランドで製造するビジネスジェット機です。リアジェットシリーズの中で最も大型であり、その性能と快適性から、多くのビジネスエグゼクティブに利用されています。1991年7月に初飛行し、1993年1月にFAA（アメリカ連邦航空局）の型式証明を取得しました。

開発の経緯

リアジェット60は、リアジェット55をベースに、胴体を1.09m延長し、エンジンをプラット&ホイットニー社製のPW305ターボファンエンジンに換装したモデルです。リアジェットシリーズとしては初めてFADEC（電子制御エンジン）が搭載され、エンジンの効率と信頼性が向上しました。

機体設計の特徴

後退翼を持つ双発ジェット機で、エンジンは機体後部の左右に1基ずつ搭載されています。T字尾翼を採用し、胴体後部には逆V字型のフィンが装備されています。主翼端にはウイングレットが取り付けられ、主翼の形状もモデル55から改良されています。これらの設計により、高い巡航性能と安定性を実現しています。

生産と後継機

1993年から機体の引き渡しが開始され、2003年までに265機が製造されました。2007年からは、改良型のリアジェット60XRに生産が移行しています。リアジェット60は、一機あたりおよそ14億円で販売されています。

主要諸元

• - 全長: 17.88m
• - 全幅: 13.34m
• - 全高: 4.47m
• - 自重: 6.3t
• - 最大離陸重量: 10.3t
• - エンジン: P&WC PW305ターボファンエンジン（推力2t）×2
• - 最大速度: 約860km/h (マッハ0.70)
• - 航続距離: 約4,600km
• - 最高飛行高度: 51,000フィート (燃料搭載量最小、乗員2名、乗客なしの場合)
• - 乗員: 2名
• - 乗客: 最大10名

事故

2008年9月19日、コロンビアメトロポリタン空港で、リアジェット60が離陸時に墜落する事故が発生しました。この事故で乗員乗客6名のうち4名が亡くなりました。この事故では、生存者がミュージシャンのトラヴィス・バーカーとアダム・ゴールドスタインであったことでも注目を集めました。

リアジェット60は、その優れた性能と快適性により、ビジネスジェットの分野で重要な役割を果たしています。その歴史と実績は、航空業界において長く語り継がれるでしょう。

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