リアル・ライブ

ボブ・ディランのライブアルバム『リアル・ライブ』は、1984年のヨーロッパツアーの熱気を捉えた作品です。このアルバムは、単なるライブ録音にとどまらず、豪華なゲストミュージシャンとの共演が大きな魅力となっています。

リードギターには、元ローリング・ストーンズのミック・テイラーが参加。彼のブルージーで力強いギタープレイは、ディランの楽曲に新たな息吹を吹き込んでいます。また、元フェイセズのイアン・マクレガンがキーボードを担当し、楽曲に奥行きと彩りを加えています。さらに、「トゥームストーン・ブルース」では、カルロス・サンタナがゲスト参加。彼の独特のギターサウンドが、この曲をさらに印象的なものにしています。

アルバムの収録曲は、ディランの代表曲が中心です。「追憶のハイウェイ61」や「マギーズ・ファーム」といった初期の名曲から、「アイ・アンド・アイ」や「ライセンス・トゥ・キル」といった1980年代の楽曲まで、幅広い選曲となっています。特に、「ブルーにこんがらがって」や「戦争の親玉」、「やせっぽちのバラッド」といった楽曲は、ライブならではのアレンジと迫力で、スタジオ版とは異なる魅力を放っています。

アルバムはビルボード200チャートで最高115位、全英アルバムチャートで54位を記録し、商業的にも一定の成功を収めました。しかし、それ以上に重要なのは、このアルバムがディランのライブパフォーマンスの魅力を伝える貴重な記録であるということです。彼の歌声、ギター、ハーモニカ、そして豪華なミュージシャンたちの演奏が一体となり、聴く者を熱狂の渦に巻き込みます。

収録曲

Side 1

1. 追憶のハイウェイ61 - Highway 61 Revisited – 5:07
2. マギーズ・ファーム - Maggie's Farm – 4:54
3. アイ・アンド・アイ - I and I – 6:00
4. ライセンス・トゥ・キル - License to Kill – 3:26
5. 悲しきベイブ - It Ain't Me, Babe – 5:17

Side 2

1. ブルーにこんがらがって - Tangled Up in Blue – 6:54
2. 戦争の親玉 - Masters of War – 6:35
3. やせっぽちのバラッド - Ballad of a Thin Man – 3:05
4. 北国の少女 - Girl from the North Country – 4:25
5. トゥームストーン・ブルース - Tombstone Blues – 4:32

参加ミュージシャン

ボブ・ディラン - ギター、ハーモニカ、キーボード、ボーカル
ミック・テイラー - ギター
グレッグ・サットン - ベース
コリン・アレン - ドラムス
イアン・マクレガン - キーボード
カルロス・サンタナ - ギター（「トゥームストーン・ブルース」）
* グリン・ジョンズ - プロデューサー、エンジニア

『リアル・ライブ』は、ボブ・ディランのキャリアの中でも特にライブパフォーマンスにスポットを当てた作品であり、彼の音楽の奥深さを改めて感じさせる一枚です。ファンはもちろん、ディランの音楽に初めて触れる人にもおすすめできる、聴き応えのあるアルバムです。

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