リウトガルト・フォン・ザクセン

リウトガルト・フォン・ザクセン（931年/932年 - 953年11月18日）は、ロートリンゲン公コンラートの妃であり、ザーリアー朝の祖となる人物です。彼女の生涯は、当時の政治情勢と密接に結びついていました。

生涯

リウトガルトは、ローマ王オットー1世と最初の妃エドギタ・オブ・イングランドの間に生まれた唯一の娘でした。父オットー1世は、ザーリアー家との関係を強化するために、947年にリウトガルトをザーリアー家のコンラートと結婚させました。コンラートは、その3年前にロートリンゲン公となっていました。

結婚生活は必ずしも幸福なものではありませんでしたが、950年頃に息子オットーを産んでいます。夫コンラートは951年にオットー1世のイタリア遠征に従軍しますが、イタリア王ベレンガーリオ2世との合意を巡ってオットー1世と対立するようになりました。

953年、リウトガルトはマインツで亡くなります。その後、夫コンラートはリウトガルトの兄リウドルフおよびマインツ大司教フリードリヒの反乱に加担しました。リウトガルトは翌年、マインツの聖アルバン修道院に埋葬されました。コンラートはその後オットー1世に降伏し、忠実な臣下として仕え、955年のレヒフェルトの戦いで戦死しました。リウトガルトの兄リウドルフもその2年後、イタリア遠征中に亡くなっています。

973年にオットー1世が亡くなると、神聖ローマ帝国の帝位は、オットー1世の2番目の妃アーデルハイト・フォン・ブルグントが生んだオットー2世が継承しました。リウドルフの息子オットー1世はシュヴァーベン公となり、リウトガルトの息子オットーはケルンテン公となりました。

1002年に皇帝オットー3世が亡くなった際、リウトガルトの息子オットーは国王選挙の候補者の一人となりました。しかし、彼はリウトガルトの父である皇帝オットー1世の弟、バイエルン公ハインリヒ1世の孫であるバイエルン公ハインリヒ4世のためにその権利を放棄し、ハインリヒ4世がローマ王ハインリヒ2世として即位しました。その後、ハインリヒ2世が亡くなると、リウトガルトの曾孫コンラート2世がザーリアー家として初めてローマ王に選出されました。

リウトガルトの血筋は、神聖ローマ帝国の歴史に深く関わり、その後のザーリアー朝の繁栄に繋がっていきました。

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