リオン・ウェア

リオン・ウェア（Leon Ware、1940年2月16日 - 2017年2月23日）は、アメリカ合衆国デトロイト出身のソウル・R&Bシンガー、作曲家、プロデューサーです。その音楽は、メロウでロマンティック、そして官能的と評され、多くのファンを魅了しました。

幼少期から教会の聖歌隊で歌い始め、11歳の頃にはドゥーワップ・グループ「The Romeos」に参加。このグループには、後にモータウンの作曲家チームの一員となるラモント・ドジャーも在籍していました。ウェアはABCレコードで作曲家、編曲家としてキャリアをスタートさせ、その後モータウンに移籍。マーサ&ザ・ヴァンデラス、アイズレー・ブラザーズ、ジャクソン5など、数々の有名アーティストに楽曲を提供しました。

1972年には、マイケル・ジャクソンに提供した「ボクはキミのマスコット」がR&Bチャートで2位を獲得。この成功が、彼のその後のキャリアを大きく飛躍させるきっかけとなりました。

1970年代中期以降は、クインシー・ジョーンズ、シリータ（スティーヴィー・ワンダーの元妻）、ミニー・リパートン、メリサ・マンチェスターらの作品に、歌手、作曲家、プロデューサーとして参加。特に有名なのは、マーヴィン・ゲイのアルバム『アイ・ウォント・ユー』の制作です。元々ウェアが自身のソロ・アルバムに収録する予定でデモ・レコーディングしていた「アイ・ウォント・ユー」を、ゲイが非常に気に入り、最終的にアルバム全体の共同制作へと発展しました。

マックスウェルなど、若手歌手とのコラボレーションも積極的に行いながら、ソロアルバムの制作発表やステージでのパフォーマンスもコンスタントに続けました。2008年には、復活したスタックス・レコードに移籍し、アルバム『Moon Ride』を発表。晩年まで精力的に音楽活動を続けました。

2017年2月23日、リオン・ウェアはカリフォルニア州マリナ・デル・レイの自宅で、前立腺がんの合併症により77歳で亡くなりました。彼の残した音楽は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

ディスコグラフィ

The Education of Sonny Carson (Paramount, 1971年)
Leon Ware (United Artists, 1972年)
Musical Massage (Motown, 1976年)
Inside Is Love (Fabulous, 1979年)
Rockin' You Eternally (Elektra, 1981年)
Leon Ware (邦題：『夜の恋人たち』) (Elektra, 1982年)
Undercover (Sling Shot, 1987年)
Taste the Love (Expansion, 1995年)
Musical Massage (with Additional Unreleased Material) (Expansion, 2001年)
Candlelight (with Don Grusin) (Expansion, 2001年)
Love's Drippin' (Kitchen Records, 2003年)
Deeper (Blues Interaction Inc Japan, 2003年)
A Kiss in the Sand (Kitchen Records, 2004年)
Moon Ride (Stax Records, 2008年)
* Sigh (Kitchen Records, 2014年)

もう一度検索