リオ・グランデの砦

映画『リオ・グランデの砦』について

『リオ・グランデの砦』（原題: Rio Grande）は、1950年に公開されたアメリカ映画です。巨匠ジョン・フォードが監督を務め、ジョン・ウェイン、モーリン・オハラといった名優が出演しています。

本作は、フォード監督の『アパッチ砦』、『黄色いリボン』と並び、「騎兵隊三部作」の最終作として知られています。ジョン・ウェインが『アパッチ砦』と同じカービー・ヨークという役を演じている点からも、『アパッチ砦』の続編的な位置づけと言えるでしょう。

制作の背景

実は、フォード監督は当初この作品を制作する予定はありませんでした。長年温めていた企画『静かなる男』を実現するため、B級映画専門のリパブリック・ピクチャーズと3本の映画製作契約を結びました。

しかし、当時の社長ハーバート・J・イェーツは、『静かなる男』の内容に難色を示しました。フォード監督の熱意に根負けしたイェーツは、1本映画を制作し、それが大ヒットしたら『静かなる男』の製作を許可するという条件を出しました。

そこでフォード監督は、『アパッチ砦』、『黄色いリボン』と同じくジェームズ・ワーナー・ベラの短編小説『記録なき作戦行動』を原作に、映画を制作することにしました。脚本家には、赤狩りの影響で仕事を干されていたジェームズ・ケビン・マクギネスを起用し、夫婦愛や家族関係などの要素を盛り込みました。

キャスティングと制作費

ジョン・ウェインの妻役には、『静かなる男』でも共演するモーリン・オハラを起用。ウェインとオハラの息の合った演技は、『静かなる男』だけでなく、『荒鷲の翼』、『マクリントック』、『100万ドルの血斗』でも見ることが出来ます。

しかし、イェーツは本作の制作費を『アパッチ砦』の半分である123万8000ドルしか出さず、さらに制作費を削減。ベン・ジョンソンとハリー・ケリー・ジュニアの出演料を値切ったり、フォード監督に制作費の削減を要求したり、カメラアングルや俳優の衣装にまで注文をつけ始めました。これに怒ったフォード監督は、イェーツが撮影現場に来ると撮影を中止したそうです。

ベン・ジョンソンとハリー・ケリー・ジュニアは、2頭の馬に跨るローマ式立ち乗りをマスターするようフォード監督から命じられ、3週間で習得し、本番ではノースタントで挑んでいます。

大ヒットと『静かなる男』の実現

結果的に、『リオ・グランデの砦』は大ヒットを記録し、フォード監督は念願の『静かなる男』の製作に取り掛かることができました。

キャスト

カービー・ヨーク大佐：ジョン・ウェイン
キャスリーン・ヨーク：モーリン・オハラ

スタッフ

監督：ジョン・フォード
製作：メリアン・C・クーパー、ジョン・フォード
脚本：ジェームズ・ケビン・マクギネス
原作：ジェームズ・ワーナー・ベラ
* 音楽：ヴィクター・ヤング

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