ハリー・ケリー・ジュニア
ハリー・ケリー・ジュニア（Harry Carey, Jr.、1921年5月16日 - 2012年12月27日）は、アメリカ合衆国の俳優。父はサイレント映画時代から西部劇を中心に活躍した名優ハリー・ケリー、母は女優のオリーヴ・ケリー。父と同様に西部劇作品に多く出演した性格俳優として知られています。
カリフォルニア州サンタクラリタ・サウガスで、西部劇映画で活躍した名優ハリー・ケリーの息子として生まれました。両親が所有するカリフォルニアの牧場で育ち、幼少期はオペラ歌手を夢見てニューヨークに渡り、歌の勉強に励みました。1939年にはニューヨーク万国博覧会でショーのパフォーマーとして働き、1941年にはNBCに勤務しましたが、第二次世界大戦が勃発すると海軍に入隊。衛生兵として3年間勤務した後、父の親友であるジョン・フォード監督のプロパガンダ映画制作に携わりました。
戦後、歌手の道を諦め俳優に転向。1946年に映画『ローリング・ホーム』で端役としてデビューしました。1948年には父も出演した映画『赤い河』に出演しましたが、父との共演シーンはありませんでした。同年には父が主演したサイレント映画『恵みの光』のリメイク作品である『三人の名付親』で主役の一人に抜擢され、この作品はジョン・フォード監督が親友ハリー・ケリーに捧げた作品として知られています。
『三人の名付親』以降、ジョン・フォード監督作品の常連俳優として数々の作品に出演しましたが、他の監督作品ではクレジットされないこともありました。1950年代からはテレビを中心に活動し、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにはテレビ分野で星を獲得しました。西部劇を中心に脇役から端役まで数多くの作品に出演し、ジョン・フォードの後継者と呼ばれたアンドリュー・V・マクラグレン監督作品にも多く出演しました。1970年代にはマカロニ・ウエスタンにも出演しています。
晩年は、ジョー・ダンテ監督の『グレムリン』、リンゼイ・アンダーソン監督の『八月の鯨』、ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』など、往年の活躍を知る中堅監督たちの作品に、敬意を表され端役ながらも起用されました。2012年に老衰のため死去しました。
1960年代からイタリア映画界が主導で製作した疑似西部劇はマカロニ・ウエスタンと呼ばれ、ヘンリー・フォンダ、ロッド・キャメロン、リー・ヴァン・クリーフなどのハリウッド西部劇のベテラン俳優や、クリント・イーストウッドのようなテレビ西部劇俳優も数多く出演していました。
ケリー・ジュニアは、1971年の『ザ・アウトロー/風来坊II』がマカロニ・ウエスタン初出演となりました。翌年には『自転車紳士、西部を行く』で、前作で組んだエンツォ・バルボーニ監督、主演のテレンス・ヒルと再タッグを組みました。1974年には、ルチオ・フルチ監督の『名犬ホワイト/大雪原の死闘』に出演し、フランコ・ネロやヴィルナ・リージなどと共演しました。
1975年には、20世紀フォックスが製作した『ワイルドトレイル』に脇役として出演。アントニオ・マルゲリーティ監督がメガホンを取り、ジム・ブラウンやフレッド・ウィリアムソンなどの黒人俳優が主要キャストを務め、リー・ヴァン・クリーフやカトリーヌ・スパークといったマカロニ・ウエスタンで活躍した俳優も共演しました。
赤い河 (1948)
三人の名付親 (1948)
黄色いリボン (1949)
幌馬車 (1950)
リオ・グランデの砦 (1950)
モンキー・ビジネス (1952) ※クレジットなし
ナイアガラ (1953) ※クレジットなし
紳士は金髪がお好き (1953) ※クレジットなし
Spin and Marty シリーズ (1955-1957) ※テレビのショー番組『ミッキーマウス・クラブ』内で放送された短編ドラマシリーズ
長い灰色の線 (1955)
東京暗黒街・竹の家 (1955) ※クレジットなし
ミスタア・ロバーツ (1955)
捜索者 (1956)
リオ・ブラボー (1959) ※出演シーン削除
馬上の二人 (1961)
シャイアン (1964) ※クレジットなし
スタンピード (1966)
バンドレロ! (1968)
最後の弾丸 (1971)
テキサス大強盗団 (1971)
グレムリン (1984)
マスク (1985)
クロスロード(1986)
八月の鯨 (1987)
チェリー2000 (1987)
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 (1990)
トゥームストーン (1993)
心の指紋 (1996)
ジョン・フォードの旗の下に (1997)
友人や家族、映画ファンからは「ハリー」や「ジュニア」ではなく、「Dobe」という愛称で呼ばれていました。この愛称は、赤毛の髪が日干しれんが（adobe）を思わせることから、父が命名したと言われています。
en:John Ford Stock Company
公式ウェブサイト（英語）
ハリー・ケリー・Jr - allcinema
ハリー・ケイリー・ジュニア - KINENOTE
Harry Carey, Jr. - オールムービー（英語）
Harry Carey Jr. - IMDb（英語）
Harry Carey Jr. - TCM Movie Database（英語）
生涯とキャリア
カリフォルニア州サンタクラリタ・サウガスで、西部劇映画で活躍した名優ハリー・ケリーの息子として生まれました。両親が所有するカリフォルニアの牧場で育ち、幼少期はオペラ歌手を夢見てニューヨークに渡り、歌の勉強に励みました。1939年にはニューヨーク万国博覧会でショーのパフォーマーとして働き、1941年にはNBCに勤務しましたが、第二次世界大戦が勃発すると海軍に入隊。衛生兵として3年間勤務した後、父の親友であるジョン・フォード監督のプロパガンダ映画制作に携わりました。
戦後、歌手の道を諦め俳優に転向。1946年に映画『ローリング・ホーム』で端役としてデビューしました。1948年には父も出演した映画『赤い河』に出演しましたが、父との共演シーンはありませんでした。同年には父が主演したサイレント映画『恵みの光』のリメイク作品である『三人の名付親』で主役の一人に抜擢され、この作品はジョン・フォード監督が親友ハリー・ケリーに捧げた作品として知られています。
『三人の名付親』以降、ジョン・フォード監督作品の常連俳優として数々の作品に出演しましたが、他の監督作品ではクレジットされないこともありました。1950年代からはテレビを中心に活動し、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにはテレビ分野で星を獲得しました。西部劇を中心に脇役から端役まで数多くの作品に出演し、ジョン・フォードの後継者と呼ばれたアンドリュー・V・マクラグレン監督作品にも多く出演しました。1970年代にはマカロニ・ウエスタンにも出演しています。
晩年は、ジョー・ダンテ監督の『グレムリン』、リンゼイ・アンダーソン監督の『八月の鯨』、ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』など、往年の活躍を知る中堅監督たちの作品に、敬意を表され端役ながらも起用されました。2012年に老衰のため死去しました。
マカロニ・ウエスタンへの出演
1960年代からイタリア映画界が主導で製作した疑似西部劇はマカロニ・ウエスタンと呼ばれ、ヘンリー・フォンダ、ロッド・キャメロン、リー・ヴァン・クリーフなどのハリウッド西部劇のベテラン俳優や、クリント・イーストウッドのようなテレビ西部劇俳優も数多く出演していました。
ケリー・ジュニアは、1971年の『ザ・アウトロー/風来坊II』がマカロニ・ウエスタン初出演となりました。翌年には『自転車紳士、西部を行く』で、前作で組んだエンツォ・バルボーニ監督、主演のテレンス・ヒルと再タッグを組みました。1974年には、ルチオ・フルチ監督の『名犬ホワイト/大雪原の死闘』に出演し、フランコ・ネロやヴィルナ・リージなどと共演しました。
1975年には、20世紀フォックスが製作した『ワイルドトレイル』に脇役として出演。アントニオ・マルゲリーティ監督がメガホンを取り、ジム・ブラウンやフレッド・ウィリアムソンなどの黒人俳優が主要キャストを務め、リー・ヴァン・クリーフやカトリーヌ・スパークといったマカロニ・ウエスタンで活躍した俳優も共演しました。
主な出演作品
赤い河 (1948)
三人の名付親 (1948)
黄色いリボン (1949)
幌馬車 (1950)
リオ・グランデの砦 (1950)
モンキー・ビジネス (1952) ※クレジットなし
ナイアガラ (1953) ※クレジットなし
紳士は金髪がお好き (1953) ※クレジットなし
Spin and Marty シリーズ (1955-1957) ※テレビのショー番組『ミッキーマウス・クラブ』内で放送された短編ドラマシリーズ
長い灰色の線 (1955)
東京暗黒街・竹の家 (1955) ※クレジットなし
ミスタア・ロバーツ (1955)
捜索者 (1956)
リオ・ブラボー (1959) ※出演シーン削除
馬上の二人 (1961)
シャイアン (1964) ※クレジットなし
スタンピード (1966)
バンドレロ! (1968)
最後の弾丸 (1971)
テキサス大強盗団 (1971)
グレムリン (1984)
マスク (1985)
クロスロード(1986)
八月の鯨 (1987)
チェリー2000 (1987)
バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3 (1990)
トゥームストーン (1993)
心の指紋 (1996)
翻訳された著書
ジョン・フォードの旗の下に (1997)
エピソード
友人や家族、映画ファンからは「ハリー」や「ジュニア」ではなく、「Dobe」という愛称で呼ばれていました。この愛称は、赤毛の髪が日干しれんが（adobe）を思わせることから、父が命名したと言われています。
参考文献
en:John Ford Stock Company
外部リンク
公式ウェブサイト（英語）
ハリー・ケリー・Jr - allcinema
ハリー・ケイリー・ジュニア - KINENOTE
Harry Carey, Jr. - オールムービー（英語）
Harry Carey Jr. - IMDb（英語）
Harry Carey Jr. - TCM Movie Database（英語）
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