リオ・ティント

リオティント：世界をリードする鉱山・資源企業

リオティントは、鉄鉱石、銅、アルミニウム、ダイヤモンドなどの多様な鉱物資源をグローバルに展開する巨大企業です。その歴史は古く、1873年にスペインのリオティント鉱山を買収したことに始まります。その後、成長を続け、オーストラリアのCRAとの合併を経て、現在の二元上場体制（ロンドン証券取引所とオーストラリア証券取引所）を確立しました。

歴史：スペイン鉱山からグローバル企業へ

リオティントの起源は、かつてローマ帝国に銅を供給していたスペイン南部の歴史的な鉱山にあります。19世紀後半、ロスチャイルド家などの投資家グループが経営不振だったこの鉱山を買収し、再建に成功しました。20世紀に入ると、南ローデシア（現在のザンビア）の銅鉱山開発にも進出し、事業規模を拡大。1962年にはオーストラリアのConsolidated Zinc社と合併し、「リオティント-ジンク・コーポレーション（RTZ）」と改称。その後も世界各地の鉱山事業への投資、買収を積極的に展開しました。

成長と買収：アルミニウム世界最大手へ

リオティントは、20世紀後半から21世紀にかけて、積極的な買収戦略を展開しました。特に、2007年にはアルミニウム世界第3位のアルキャンを買収し、世界最大のアルミニウム生産企業となりました。この買収は、世界鉱業業界における史上最大の合併・買収（M＆A）事例として記録されました。一方、BHPビリトンによる買収提案を回避し、鉄鉱石事業における協業計画を後に撤回するなど、大きな動きもありました。中国政府による社員逮捕事件など、幾多の困難も経験しています。

事業概要：多様な資源と先進技術

リオティントは、鉄鉱石、銅、アルミニウム、ダイヤモンドに加え、ウラン、工業用鉱物なども生産しています。鉄鉱石では世界第2位の生産量を誇り、西オーストラリア州のハマースリー・アイアン社を完全子会社として保有しています。アルミニウム部門では、ボーキサイトの採掘からアルミニウム地金の生産まで一貫体制を構築しています。また、環境問題への配慮として、バイオマスを利用した製鉄技術の開発にも取り組んでいます。

企業構造と経営：二元上場体制とグローバルな組織

リオティントはロンドンとオーストラリアに上場する二元上場体制をとっています。取締役会と執行委員会による統合された経営体制のもと、世界中に広がる事業を展開しています。その複雑な組織構造は、多数の子会社や事業グループから成り立っています。

批判と課題：環境問題と労働問題

リオティントは、環境保護団体や労働組合から、環境問題、政治問題、労働安全衛生、労働者の権利に関する批判を受けてきました。特に、オーストラリアの労働組合との関係は長く複雑であり、過去の事例は企業倫理や社会責任に関する議論を招いてきました。

まとめ：歴史と挑戦

リオティントは、1世紀以上にわたる歴史の中で、世界的な鉱山・資源企業として成長を遂げました。しかし、その発展には、数々の買収合併、国際的な政治情勢、環境問題、労働問題など、多くの課題や困難が伴ってきました。今後、持続可能な発展と社会貢献を両立していくための挑戦が、リオティントに課せられています。

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