リギ山

スイスが誇る絶景、リギ山

リギ山は、ルツェルン湖（フィアヴァルトシュテッテ湖）、ツーク湖、ラウエルツ湖という3つの湖に囲まれた、スイス中央部に位置する美しい山塊です。その最高峰であるリギ・クルムは、標高約1797メートルを誇り、スイスのルツェルン州とシュヴィーツ州にまたがっています。

「山の女王」リギ山の魅力

リギ山は、かつてラテン語で「Regina Montium（山の女王）」と呼ばれていました。その名の通り、リギ山はその美しい景観で人々を魅了し続けています。

リギ山は、大きく分けて西北部、中央部、東南部の3つの山塊で構成されています。

西北部: 最高峰のリギ・クルム峰を中心に、ロートシュトック峰、リギ・シュタッフェルホーエ峰が連なっています。
中央部: リギ・シャイデック峰やドッセ峰が連なり、フィッツナウアーシュトック峰（別名ゲアザウアーシュトック峰）がそびえ立っています。
東南部: リギ・ホッホフルー峰を最高峰とし、ゴッテアリ峰へと続く長い尾根が特徴的です。

リギ山は、専門的にはアルプス山脈の一部ではなく、スイス高原の一部とされています。その地質は、アルプス特有のビュンドナー片岩やフリッシュとは異なり、モラッセや礫岩で構成されています。

リギ山の周辺には、多くの魅力的な町が点在しています。シュヴィーツ州のゼーヴェンから時計回りに、インゲンボール市ブルンネン、ゲアザウ、ルツェルン州のフィッツナウ、ヴェッギス、グレッペン、キュスナハト、インメンゼー、アルト、オーバーアルト、ゴールダウ、ラウエルツといった町がリギ山を囲んでいます。

リギ・クルム峰からの絶景

リギ山の最高峰、リギ・クルム峰は、標高1,797.5メートルを誇ります。その山頂からは、フランスやドイツまで見渡せるほどの壮大なパノラマが広がります。北にはチューリッヒ湖やエーゲリ湖、ラウエルツ湖、ツーク湖、北東にはスイス平原とシュヴァルツヴァルト、ヴォージュ山脈、そして南には雪を抱いたアルプス山脈が望めます。

リギ・クルム峰には、1816年8月6日に開業したスイス初の山岳ホテル「リギ・クルム・ホテル」があります。2016年には開業200周年を迎えました。ホテルにはレストランも併設されており、絶景を眺めながら食事を楽しむことができます。

リギ・クルムへは、ラック式鉄道であるリギ鉄道が乗り入れています。フィッツナウ・リギ線とアルト・リギ線の2路線が利用でき、少し下ったリギ・シュタッフェル駅で両線が合流します。リギ・シュタッフェル駅からの眺望もまた格別です。

その他の見どころ

ロートシュトック峰: リギ・クルム峰から見下ろせるロートシュトック峰からは、ルツェルン湖やスイスアルプスの壮大な景色を一望できます。
リギ・シャイデック峰: ゴールダウやルツェルン湖を見渡せるシャイデック峰には、リギ鉄道のケーブルカーが乗り入れています。かつてホテルがあった山頂からは、カルトバートやリギ・クレシュテアリまでハイキングを楽しむこともできます。
ドッセ峰: シュヴィーツ州とルツェルン州の州境に位置するドッセ峰からは、フィッツナウの町とルツェルン湖の美しい景色が広がります。
フィッツナウアーシュトック峰／ゲアザウアーシュトック峰: フィッツナウとゲアザウの間にそびえるこの峰からは、ケーブルカーを利用してハイキングを楽しむことができます。
リギ・ホッホフルー峰: ルツェルン湖とラウエルツ湖を見渡せるリギ・ホッホフルー峰は、シュヴィーツ州に属しています。
* ゴッテアトリ峰: ブルンネンの町を見下ろすゴッテアトリ峰からは、各州やアルプス渓谷を一望できます。

リギ山の歴史とアクセス

19世紀には、ヨーロッパ各国の王侯貴族や芸術家がリギ山を訪れました。1816年には、スイス初の山頂ホテルがリギ・クルムに建てられ、リギ山からのご来光は特に人気を博しました。

1871年には、麓のフィッツナウからヨーロッパ最古の登山鉄道（リギ鉄道）が開通し、1873年には日本の岩倉使節団もリギ山を訪れました。リギ・クルムからは、中央スイス地方アルプスをはじめ、グラールスやベルナーオーバーラントの山々が連なる景観を眺めることができます。

リギ山へのアクセスは、アルト・ゴルダウから登山鉄道を利用する方法、フィッツナウから登山鉄道を利用する方法、ヴェッギスからロープウェイと登山鉄道を乗り継ぐ方法の3通りがあります。

リギ山は、その美しい景観と豊かな歴史、そしてアクセスしやすい立地から、多くの観光客に愛されるスイスを代表する山です。

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