リクルート (映画)

『リクルート』

『リクルート』（原題: The Recruit）は、2003年に公開されたアメリカのスリラー映画で、CIAの工作員としての訓練や人間関係が中心テーマとなっています。物語は、マサチューセッツ工科大学（MIT）でトップの成績を誇る学生、ジェームズ・ダグラス・クレイトンに焦点を当てています。彼は悩ましい過去を抱え、1990年の南米での飛行機事故により父親が行方不明になった。この事故の真相を追いたいという思いが、物語の大きな推進力となるのです。

ある日、ジェームズはCIAのリクルーターであるウォルター・バークから接触を受けます。バークは、彼の父親が過去にCIAの工作員であった可能性を示唆し、ジェームズをCIAに引き込むことを決意させます。「本物の工作員は公の記録には載らない」という言葉に、ジェームズは興味を引かれ、大手企業からのオファーを拒否してCIAの道を選ぶことになります。

採用試験や面接を無事突破したジェームズは、CIA特訓施設「ファーム」での厳しい訓練を受けます。ここでは、工作員に求められるスキル、特に人を操る技術を学びます。仲間たちと共に心理戦を繰り広げる中で、ジェームズは訓練生レイラに魅かれていきます。しかし、任務のために彼女を利用しなければならないシチュエーションに直面し、思わぬ葛藤に巻き込まれます。愛情と任務の狭間で揺れ動くジェームズの姿が描かれます。

次第に訓練は厳しくなり、ジェームズはレイラとペアを組んで尾行任務を行います。この任務中、彼は襲撃を受け、未知の男たちに捕獲されます。最初は訓練の一環だと思っていたジェームズも、次第にこれは敵側による拉致であることを実感します。彼は、捕らえられたレイラの安否を聞き、拷問に屈してしまったのです。この瞬間、物語は大きな転換を迎えます。

拷問訓練の結果、ジェームズはCIAとしての評価を大きく下げてしまいます。しかし、バークは彼に驚きの提案を持ちかけます。「これで君は本物の工作員だ」と告げ、表向き落第生として行動しつつ、CIA内に潜む内通者の調査を任せることに。内勤職員として新たな任務を引き受けるジェームズは、この驚くべき展開に戸惑いながらも、新たな道を進む決意を固めます。

映画は、ジェームズが訓練を通じて成長し、自身の過去や愛、信頼の意味を見出していく様子を描いています。また、彼の成長を通じて、CIAという非情な世界の中での人間の心理や愛情の複雑さも浮き彫りにしていきます。最後には、彼がどのようにして真実に迫り、彼自身の運命を受け入れていくのかに注目したいところです。

キャスト

• - ウォルター・バーク - アル・パチーノ（吹替: 谷口節）
• - ジェームズ・ダグラス・クレイトン - コリン・ファレル（吹替: 森川智之）
• - レイラ・ムーア - ブリジット・モイナハン（吹替: 本田貴子）
• - ザック - ガブリエル・マクト（吹替: 神奈延年）
• - アラン - ケン・ミッチェル（吹替: 加瀬康之）
• - ロニー・ギブソン - マイク・リアルバ（吹替: 田中一成）
• - デニス・スレイン - カール・プルーナー（吹替: 野島昭生）

「何事も見かけ通りではない」という言葉が示すように、本作はミステリアスでハラハラする展開に彩られた一作です。

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