リシア電気石

リシア電気石（エルバアイト）について

リシア電気石は、ナトリウム、リチウム、アルミニウム、ホウ化ケイ素を含むケイ酸塩鉱物で、広く知られる電気石（トルマリン）グループの一員です。この鉱物はリチア電気石とも呼ばれ、主にその美しい色彩と結晶の多様性から宝石として人気があります。リシア電気石は、構成する元素の違いにより、他の電気石と連続的に変化する性質を持ち、そのため天然には理想的な組成式を示す結晶は発見されていません。

性質

リシア電気石の主な性質として、以下の情報があります。プリズムは直進性を持ち、屈折率はnω = 1.635 から 1.650、nε = 1.615 から 1.632に及びます。副屈折はδ = 0.020で、密度は2.9から3.2の範囲です。また、透明度は透明から半透明までさまざまです。

他の電気石と異なり、リシア電気石は苦土電気石との間に連続固溶体を形成しません。さらに、この鉱物は圧電性を有しており、多くの工業用途での可能性が期待されています。

用途

リシア電気石は、その深い色合いや結晶の質により、理想的な宝石として広く使われています。特に緑色を持つ個体は、「ブラジルエメラルド」として知られ、その美しさと希少性から高い評価を得ています。さまざまな色を持つリシア電気石は、宝石としてだけでなく、ジュエリー作りにも広く使用されており、愛好家に人気があります。

宝石の種類

リシア電気石には、いくつかの異なる色の種類があります。具体的には以下のものがあります：

• - アクロアイト: 無[[色]]。
• - インディゴライト: 青色で、別名「ブルートルマリン」。
• - ルベライト: 赤色から桃色のバリエーション。
• - ヴェルデライト: 緑色です。

主な産地

リシア電気石は、1913年にイタリアのエルバ島で最初に発見されました。その後、1994年にはカナダのユーコン準州、O'Grady Lakesで主産地が見つかりました。日本国内でも茨城県、岩手県、福岡県の三か所で確認されています。

生成環境

リシア電気石は、火成岩や変成岩の鉱脈、特に花崗岩質ペグマタイトの中で形成されます。紅雲母、微斜カリ長石、リシア輝石と共に副成分鉱物として存在し、特に大規模な熱水交代鉱床で、モリブデン鉱や錫石との共存が見られます。このような環境で、リシア電気石は美しい結晶として成長します。

参考文献

• - 森本信男、砂川一郎・都城秋穂『鉱物学』岩波書店。
• - 松原聰『日本の鉱物』学習研究社。
• - 松原聰、宮脇律郎『日本産鉱物型録』東海大学出版会。

リシア電気石はその美しさと多様性から、宝石としてだけでなく、鉱物愛好家や研究者にとっても惹きつける存在です。

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