リジェ・オートモーティブ

リジェ・オートモーティブ：フランスのレーシングカーコンストラクターの軌跡

リジェ・オートモーティブは、フランスを拠点とする名門レーシングカーコンストラクターです。その歴史は、2007年にル・マン・プロトタイプの製造から始まります。前身となるオンローク・オートモーティブは、オーク・レーシングの設計・製造部門として設立されました。オーク・レーシングは、ペスカロロ・スポールの製造部門を引き継ぎ、ペスカロロ製レースカーをベースに「オーク・ペスカロロ」として販売していました。

2012年、新たなル・マン・プロトタイプのレギュレーションに対応するため、オンロークは既存シャーシを改良した車両を開発。他チームへの販売も開始し、モーガンとの提携により「モーガン・LMP2」も製造しました。

転機となったのは、ギ・リジェとの提携です。2013年、リジェ・JS 53 Evoの開発・販売を行い、2014年には進化版であるリジェ・JS 55を発表。さらに、オンロークは、新たに設計したLMP2カーに「リジェ・JS P2」という名称を使用する契約を結びました。この成功を基に、2015年にはLMP3クラス用シャシー「リジェ・JS P3」も開発。リジェの名を冠した車両は、レースシーンで高い競争力を示し始めました。

2016年には、アメリカのクロフォード・コンポジットのモータースポーツ部門を買収、北米での活動拠点となります。この買収は、リジェのグローバル展開を加速させる大きな一歩となりました。

2017年には、[国際自動車連盟]とフランス西部自動車クラブ(ACO)の新しいLMP2規定で、4社のメーカーの一つに選出。革新的なリジェ・JS P217を発表し、日産との共同開発でDPi規定車「日産DPi」も製造しました。

2018年には、フォーミュラ・リージョナル規格のフォーミュラカー「リジェ・JS F3」を発表。同年、親会社のブランド変更に伴い、社名を「リジェ・オートモーティブ」に変更しました。

2019年には、新たなLMP3規則に基づいた「リジェ・JS P320」を公開。さらに、2020年にはプジョー、2022年にはランボルギーニと提携し、プジョー9X8やランボルギーニSC63といったハイブリッドマシンの開発にも携わっています。

リジェ・オートモーティブの製造モデル:

これまでにリジェ・オートモーティブ、およびその前身であるオンローク・オートモーティブが製造したモデルは多岐に渡ります。代表的なモデルを以下に列挙します。

オーク・ペスカロロ・01 (2010年)
モーガン・LMP2 (2012年)
リジェ・JS 53 Evo (2013年)
リジェ・JS 55 (2014年)
リジェ・JS P2 (2014年)
モーガン・LMP2 Evo (2015年)
リジェ・JS P3 (2015年)
リジェ・JS P217 (2017年)
日産 DPi (2017年)
リジェ・JS F3 (2018年)
リジェ・JS P320 (2019年)
ランボルギーニ・SC63 (2024年)

リジェ・オートモーティブは、長年に渡るレーシングカー製造の経験と、数々の名門チームとの協力関係を通じて、世界的なレーシングカーコンストラクターとしての地位を確立しました。その技術力と革新性は、今後も世界のモータースポーツシーンをリードし続けることでしょう。

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