リジェ・JS17

リジェJS17：F1の歴史に名を刻んだ名車

リジェJS17は、1981年と1982年のF1世界選手権でリジェチームが使用したフォーミュラカーです。設計は、名エンジニアであるジェラール・ドゥカルージュとミシェル・ポイジョンの両氏の手によるものです。このマシンは、リジェチームのF1挑戦において重要な役割を果たし、数々のドラマを生み出しました。

開発と進化

JS17は、当初は従来型のサスペンションシステムを採用していました。しかし、シーズン途中で車高を走行中に調整できるハイドロニューマチックシステムが導入されました。このシステムは、ベルギーグランプリまでには効果的に機能するよう改良されました。

搭載されたエンジンは、ギ・リジェが交渉の末に獲得した、マトラ製のV12エンジンです。フォードDFVエンジンからの変更は、チームにとって大きな賭けでしたが、この選択は結果的に成功を収めることになります。MS81と名付けられたこのエンジンは、開発者であるジョルジュ・マルティン氏によって改良が加えられ、シーズン終盤には13000回転まで到達する高性能エンジンへと進化しました。

JS17は、シーズンを通じて7台が製造されました。最後の1台はイタリアグランプリで投入されました。各マシンは、シーズンを通して改良が加えられ、性能向上が図られました。

1981年シーズン：ラフィット選手の活躍

1981年シーズンは、ジャック・ラフィット選手がJS17を駆り、オーストリアとカナダで優勝を飾りました。彼の活躍により、リジェチームはドライバーズチャンピオンシップ争いに積極的に加わることができました。一方、25番車に起用された他のドライバーたちは、ポイント獲得には至らず、コンストラクターズチャンピオンシップでは4位という結果に終わりました。ラフィット選手の活躍が目立ったシーズンとなりました。

1982年シーズン：JS17Bと新車の投入

1982年シーズンもラフィット選手はチームに残留し、エディ・チーバー選手がチームメイトとして加入しました。この年は、前年製造された4台のJS17シャシーを再構築し、剛性を強化したJS17Bとしてシーズンが開幕しました。剛性強化の影響で、JS17Bは当時のグリッド上で最も重いマシンとなりました。

チーバー選手はJS17でベルギーで3位、アメリカ（デトロイト）で2位という好成績を残しました。一方、ラフィット選手はJS17Bでベルギー9位、ラスベガス6位という結果でした。

シーズン途中からは新型マシンJS19が投入されましたが、サイドスカートの長さに問題があり、マシンの設計変更が必要となりました。このため、デトロイトグランプリとカナダグランプリでは再びJS17Bが使用されました。また、チーバー選手のJS19がオランダグランプリ予選でクラッシュした影響で、イギリスグランプリでもJS17Bが使用されることとなりました。

まとめ

リジェJS17は、リジェチームのF1挑戦において重要な役割を果たしたマシンです。ハイドロニューマチックシステムの採用や、マトラV12エンジンの搭載など、技術的なチャレンジを積極的に行いながら、ジャック・ラフィット選手らドライバーの活躍によって、数々の印象的な結果を残しました。JS17は、F1の歴史において重要な一台として記憶されています。その開発、改良、そしてレースでの活躍は、モータースポーツ史に残る物語です。技術革新とドライバーの技量が融合したこのマシンは、時代を超えて人々を魅了し続けています。

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