リゾートサルーン・フェスタ

リゾートサルーン・フェスタの概要

リゾートサルーン・フェスタは、1988年から2003年にかけて西日本旅客鉄道（JR西日本）が運行していた特別な気動車で、「ジョイフルトレイン」として知られる車両の一種です。この車両は、広島支社のために特別に改造されたもので、独自の設計によって観光や特別なイベントに利用されることを目的としていました。特に、山陽本線を中心とした様々な臨時列車で多くの利用者に親しまれていました。

車両の設計

リゾートサルーン・フェスタの設計は極めてユニークで、ハイデッカータイプの先頭車両と従来型の後方部分を組み合わせたものでした。天窓を備えた前半部分は眺望を楽しむことができ、後半部分は通常の車両の形状が維持されています。前面のデザインは曲線的で、使用された大きな曲面ガラスの窓は、特別な視覚体験を提供します。また、前面下部にある「口」と呼ばれる部分は、空気圧で開閉可能で、LEDの電光掲示板やスピーカーが内蔵されています。この主な特徴により、利用者への案内やアナウンスが行いやすくなりました。

運転室は客室よりも低い位置に配置されており、客は前方の風景を楽しむことができる構造です。中間車両には、カフェラウンジやミニシアターが設けられ、訪れる人々がリラックスした時間を過ごせるようになっています。全体的にデザインは機能性と楽しさが融合したもので、鉄道の旅をより魅力的にしています。

車内の設備

リゾートサルーン・フェスタの先頭車両には、定員8名の展望室と36名収容の一般客室が設けられています。展望室は高い位置から周囲の景色を見渡せる設計で、固定されたクロスシートが階段状に配置されています。一方、一般客室はリクライニング機能があり、快適に過ごせるように工夫されています。両端にはカラオケやビデオ機器、モニターテレビなどのAV機器も装備され、エンターテインメントも充実しています。

中間車は、特に自由なスペースが特徴です。カフェラウンジではリラックスできる「コ」の字型のソファが用意され、飲み物サービスのカウンターテーブルもあります。また、絨毯敷きのミニシアターでは、映画などを楽しむことができます。このような趣向は、他の鉄道車両にはない特別感を演出しています。

運用の歴史

リゾートサルーン・フェスタは1988年7月26日に臨時列車「ブルーライナー」として運行を開始しました。以降、多くの人々に利用され、特別なイベントや団体向けの臨時列車で使われ続けました。しかし、2001年には「快速さよならフェスタ」をもって運用を終了しました。廃車後はタイ国有鉄道への無償譲渡が計画されていましたが、老朽化のために破談となり、2003年に解体されました。解体の際、一部のパーツは特に思い出深い区間であった山口県の長門市に保存されています。

このリゾートサルーン・フェスタは、新しい鉄道体験を提供する試みとして、多くの鉄道ファンや利用者に記憶されています。特に、人気番組『探偵!ナイトスクープ』で取り上げられたことがあるなど、そのユニークな存在感は今でも語り継がれています。

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