リチャード・アーミテージ

リチャード・リー・アーミテージ

リチャード・リー・アーミテージ（Richard Lee Armitage、1945年4月26日生まれ）は、アメリカ合衆国の海軍軍人であり、特に政治家として知られる存在です。彼は、ベトナム戦争に従軍した後、アメリカ合衆国国務副長官としての役割を果たし、日米外交における知日派として注目を浴びてきました。

来歴

アーミテージは、1945年にボストンで誕生し、1967年にアナポリスの海軍兵学校を卒業後、海軍に入隊しました。彼はベトナム戦争に志願し、戦争終結後も民間人顧問としてベトナムに残り、南ベトナムの兵士たちを助ける任務に従事しました。特に、1975年のサイゴン陥落の際には、米軍のヘリコプターで30名の南ベトナム兵を救出したことで知られています。

政治活動

アーミテージは、国防省において情報部員として働いた後、1981年から1989年にかけてロナルド・レーガン政権下で国防次官補を歴任しました。その後、ジョージ・W・ブッシュ政権でも国務副長官として重要な役割を果たし、政策顧問としての影響力も持っていました。彼は共和党の穏健派として知られており、外務政策においてコリン・パウエルとの緊密な関係を築いていました。

アーミテージは、2006年のインタビューでパキスタンのムシャラフ大統領に対する圧力について言及し、物議を醸しました。その後、イラク戦争には反対し、パウエル国務長官とともに、平和的解決を優先する立場を取っていました。また、彼が関与したCIA工作員の身元漏洩事件では、自らの非を認めて謝罪しています。

アジア通・知日派としての影響

アーミテージは、日米間の友好関係を強化するために尽力しました。彼は、アナポリスの海軍兵学校を卒業して以来、日米同盟を堅固なものにすることを目指し、いくつかの重要な政策提言を行っています。特に「アーミテージ・レポート」と呼ばれる政策提言文書は、1990年代から2000年代にかけて日米関係を再評価する上で重要な役割を果たしました。このレポートは、日本に対して防衛体制の強化を促す内容が盛り込まれ、多くの議論を呼びました。

アーミテージはまた、アジアにおける日本の役割を重要視し、日本の外交政策に関する発言や提言を行っており、特に日本の憲法第9条については討論を引き起こす立場を取っています。彼は日本に対して、周辺国との緊張を緩和しつつ、国防における自立を促すよう主張しています。

その他の業績と私生活

アーミテージは、2015年に旭日大綬章を受章し、その功績が評価されています。家族は妻のローラとの間に4人の子供を持ち、その中にはベトナム系やアフリカ系の子供たちを養子として育てるなど多様な家庭環境が伺えます。学生時代にはアメリカン・フットボールやウエイトリフティングに親しみ、440ポンドを挙げる記録を持っています。

リチャード・アーミテージは、アメリカの外交政策における重要な人物であるとともに、日米関係の発展に寄与した影響力のある知識人として、現在も注目されています。

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