リチャード・ヒダルゴ

リチャード・ホセ・ヒダルゴ：波乱万丈なキャリアを歩んだベネズエラ出身の強打者

リチャード・ホセ・ヒダルゴ（Richard Jose Hidalgo）は、1975年6月28日にベネズエラのカラカスで生まれた元プロ野球選手です。右投右打の外野手として、その強打でファンを魅了しました。1990年代後半から2000年代前半にかけてメジャーリーグで活躍し、特にヒューストン・アストロズ時代にはその才能を大きく開花させました。

プロ入りからアストロズ時代 (1991-2004)

1991年、ヒダルゴはヒューストン・アストロズと契約し、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。最初の数年はマイナーリーグで経験を積み、着実に成長を遂げました。

1992年にはルーキー級のGCLアストロズで打率.310、1本塁打、27打点、14盗塁と攻守にわたって活躍。
1993年にはA級のアッシュビル・ツーリスツに昇格し、打率.270、10本塁打、55打点、21盗塁を記録しました。この頃から、打撃だけでなく走塁面でも才能を発揮し始めました。
1994年にはA級のクアッドシティーズ・リバーバンディッツで打率.292、12本塁打、76打点という好成績を残し、リーグ最多の47二塁打を放つなど、長打力も開花。
1995年にはAA級のジャクソン・ジェネラルズに昇格し、打率.266、14本塁打、59打点と、着実にステップアップ。ベースボール・アメリカ誌の有望株ランキングで34位に選ばれました。
1996年もジャクソンでプレーし、打率.294、14本塁打、78打点をマーク。

そして1997年、ヒダルゴはついにメジャーデビューを果たします。9月1日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で「6番・センター」として先発出場し、メジャー初ヒットを記録。この年は19試合に出場し、打率.306、2本塁打、6打点と好スタートを切りました。マイナーでもAAA級のニューオーリンズ・ゼファーズで打率.279、11本塁打、78打点を記録し、5年連続で2桁本塁打を達成しました。

1998年には74試合に出場し、打率.303、7本塁打、35打点と、2年連続で3割を超える打率を記録。着実にメジャーに定着し始めます。

1999年には、左膝の先天的な不具合による炎症で手術を受け、シーズン終盤を欠場。108試合の出場で打率.227、15本塁打、56打点という成績でした。

2000年は、9月以降に大爆発。月間MVPに選出される活躍を見せました。この年はキャリアハイの153試合に出場し、打率.314、44本塁打、122打点、13盗塁と、まさにキャリア最高のシーズンを過ごしました。本塁打、打点、OPSなど、多くの部門でリーグ上位にランクインし、球界を代表する強打者としての地位を確立しました。

2001年には、4年3,200万ドル（5年目は球団オプション）という大型契約を結びました。この年は打率.275、19本塁打、80打点という成績でしたが、前年に比べると本塁打数が大幅に減少しました。

2002年は114試合の出場で打率.235、15本塁打、48打点と、成績は下降。また、監督批判やトレード志願、ロッカールームでの騒動など、問題行動が目立つようになり、シーズンオフには母国でカージャックに遭い、左腕を銃で撃たれるという災難に見舞われました。しかし、幸いにも骨に異常はなく、2003年のキャンプには間に合いました。

2003年にはレギュラーに復帰し、141試合に出場。打率.309、28本塁打、88打点と、再び好成績を残し、チームMVPに選ばれました。守備でもリーグトップのアシスト22を記録するなど、攻守にわたる活躍を見せました。

2004年は58試合に出場し、打率.256、4本塁打、30打点という成績で、シーズン途中にニューヨーク・メッツへ移籍しました。

メッツ時代 (2004)

2004年6月17日、ヒダルゴはデービッド・ウェザーズ、ジェレミー・グリフィスとのトレードでニューヨーク・メッツに移籍。メッツでは86試合に出場し、打率.228、21本塁打、52打点と、移籍後も長打力は健在でした。この年、2球団合わせて144試合に出場し、25本塁打、82打点を記録。アシスト14はリーグ1位タイでした。シーズンオフにFAとなりました。

レンジャーズ時代 (2005)

2004年12月10日、ヒダルゴはテキサス・レンジャーズと1年500万ドルで契約。2005年は88試合に出場し、打率.221、16本塁打、43打点という成績でした。シーズンオフに再びFAとなりました。

その後、2006年にはボルチモア・オリオールズと契約しましたが、すぐに解雇され、メジャーでのプレー機会は失いました。

その後

2006年以降は、ベネズエラのウィンターリーグや独立リーグでプレーを続けました。2008年にはアトランティックリーグのロングアイランド・ダックスに所属し、メキシカンリーグでもプレーしました。ベネズエラのウィンターリーグでは、ナベガンテス・デル・マガジャネスで活躍し、2011年までプレーを続けましたが、それ以降の試合出場記録はありません。

詳細情報

ヒダルゴは、その強打と高い身体能力でファンを魅了しましたが、素行面での問題も多く、波乱に満ちたキャリアを送りました。

年度別打撃成績

(省略)

背番号

15 (1997年 - 1999年、2000年 - 2004年)
16 (1998年)
51 (2005年)

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