リチャード・ポンソンビー＝フェイン

リチャード・アーサー・ブラバゾン・ポンソンビー＝フェイン

概要

リチャード・アーサー・ブラバゾン・ポンソンビー＝フェイン（1878年1月8日 - 1937年12月10日）は、イギリス生まれの専門家であり、日本の神道、神社、皇室、歴史、習俗、教育に関する研究で知られています。彼は日本で「ポンソンビ博士」とも呼ばれる存在でした。ポンソンビー＝フェインは、本尊美利茶道とも名乗り、英語での著作を多数発表して日本文化の理解を深めました。

生い立ちと経歴

ポンソンビー＝フェインは1878年、ロンドンのイートンテラスで生まれました。出自は名家で、父は第4代ベスバラ伯爵の六男にあたるジョン・ヘンリー、母はサー・トマス・ファーカーの孫女です。独身生活を貫いた彼は、姉ヴァイオレットと二人姉弟で、ずっとブリンプトン邸に住んでいました。1916年に祖父と父を相次いで失ってからは、彼は相続者となり、姓に「＝フェイン」を付け加えました。

幼少期から教育を受けた彼は、クリケットに関心を持ちましたが、病弱だったために早く学校を退学しました。その後、世界各地を旅し、さまざまな場所で植民地総督の秘書としての使命を果たしました。これらの経験は、彼の視野を広げ、特に日本文化に対する興味を育みました。

日本とその後の生活

1915年に「日本皇室譜」という著書を発表した後、1919年には日本に移住しました。東京市本郷区に定住し、成蹊学園で英語教師として無給で教鞭を執りました。この頃の彼の研究は、主に神道や皇室に関するものでした。ポンソンビー＝フェインは1921年に皇太子裕仁親王の訪問時に香港で通訳を務め、その功績により勲四等瑞宝章を受けました。

日本に居住後、彼は京都に転居し、そこで英語教育や、多くの著作活動に励みました。特に神社や陵墓の研究に注力し、著書の中で神道を「宗教である」と位置付け、その特徴や歴史的背景を探求しました。彼は神道の寛容性や国家との関連、また、個々の神社についての詳細な調査を通して、国民的な原始宗教としての神道の価値を訴えました。

彼の著作は多様で、神道に関する専門書から、皇室に関する研究まで幅広く、後の研究者たちにも影響を与えました。また、彼は日本文化を深く理解し、和装を日常的に着用し、食生活も日本の伝統に即したものでした。

代表的な著作と研究

ポンソンビー＝フェインは、数々の重要な著作を残しています。1915年に発表した『日本皇室譜』を始め、1937年には『鹿島神宮紀』が出版されました。彼の研究は、特に神社や神道に関連するテーマが中心で、独自の視点から日本の伝統文化を分析した作品が多く存在します。また、彼は神社の朱印を収集することに熱心で、2,000社分の朱印を集めた記録があります。

晩年と影響

ポンソンビー＝フェインは1937年に自宅で病気のため亡くなりました。享年は60歳でした。彼の死後、日本や海外の関係者によってその業績が称えられ、多くの追悼文が寄せられました。特に、彼の神道研究に関する功績は、今なお多くの学者たちによって高く評価されています。

ポンソンビー＝フェインの研究は、日本文化の理解を深めるための重要な基盤となり、今後も彼の功績は語り継がれることでしょう。

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