リチャード・ラッセル・ジュニア

リチャード・ブリヴァード・ラッセル・ジュニアの生涯と功績

リチャード・ブリヴァード・ラッセル・ジュニア（1897年11月2日 - 1971年1月21日）は、アメリカの著名な政治家で、特に南部における人種隔離政策の強力な支持者として知られています。彼は多岐にわたる政治的役職を経て、アメリカ合衆国上院の長きにわたる議員生活を送りました。以下では、彼の生い立ちや政治の歴史を振り返ります。

生い立ちと教育

ラッセルはジョージア州ウィンダーで誕生しました。彼は農業・技術学校を卒業した後、1918年にはジョージア大学から法学士の学位を取得し、その後もマーサー大学から法学修士号を得るなど、優れた学業の道を歩みました。さらに第一次世界大戦中は海軍予備隊に従事し、戦後は弁護士としてキャリアをスタートさせました。彼の政治経歴は、ジョージア州下院議員から始まり、その後州下院議長や知事を経て、最終的には連邦上院議員に選出されました。

政治キャリアの概要

ラッセルは、州下院議員としての活動とその後の知事職を経て、1933年には連邦上院議員としてのキャリアをスタートしました。以降、彼は39年間にわたり上院の職にあり、特に南部の民主党のリーダーとして影響力を持ち続けました。上院では歳出委員長や軍事委員長など、多くの重要な役職を歴任し、特に軍事政策や予算に関する問題に積極的に関与しました。

彼の政治的立場は、一貫して人種隔離を支持するものでした。ラッセルは1948年に州権民主党に参加し、同じように人種差別主義的なスタンスを持つストロム・サーモンドを大統領候補として支援しました。公民権法形成に対する強硬な反対者としても知られ、1964年にはサザン・マニフェストの共同執筆者となり、同時期に公民権法に対して反対運動を展開しました。

公民権運動とその影響

ラッセルの公民権に関する姿勢は、1960年代におけるアメリカの社会的変革において大きな論争の的となりました。リンドン・ジョンソン大統領との関係は一時的には良好でしたが、ジョンソンが公民権法の推進に走ったことで決裂しました。ラッセルは、このような変化に反対し続け、自らの信念を貫きました。

彼はまた、ケネディ大統領暗殺事件後に設置されたウォーレン委員会にも参加し、事件の調査にかかわりました。

最晩年と遺産

ラッセルは1971年にワシントンD.C.のウォルター・リード陸軍医療センターで亡くなりました。彼の政治的功績は評価され続け、ラッセル上院ビルおよび彼の名を冠した原子力潜水艦が建造されるなど、その影響は後世に長く残ることとなりました。

リチャード・ブリヴァード・ラッセル・ジュニアは、アメリカの政治史において重要な位置を占める人物であり、その生涯を通じて示した立場や信念は、今なお議論を呼ぶものとなっています。彼の政治的歩みは、アメリカの歴史における分裂と変革の象徴でもあります。

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