リチャード・リンチ:異彩を放った悪役俳優の生涯
リチャード・リンチ(Richard Hugh Lynch、
1940年2月12日 -
2012年6月19日)は、
アメリカ合衆国出身の
俳優。
アイルランド系アメリカ人として
ニューヨーク・ブルックリンで生まれました。
アクターズ・スタジオで演技を学んだリンチですが、1967年に人生を大きく左右する出来事が起こります。ドラッグの影響下で
セントラル・パークにて自らに火を放ち、全身の70%に及ぶ大火傷を負ってしまったのです。この事故による火傷痕を治療するための整形手術によって、彼の容貌は一変しました。しかし、この容貌の変化こそが、彼を唯一無二の悪役
俳優としての地位を確立することになったのです。
悪役俳優としての開花
その独特な風貌から、映画やテレビドラマで悪役を演じることが多くなりました。その演技は観客に強烈な印象を与え、数多くの作品で存在感を示しました。1982年には、映画『マジック・クエスト/魔界の剣』で第10回
サターン助演男優賞を受賞し、その演技力が評価されました。
主な出演作品
リンチは数多くの映画やテレビドラマに出演しています。代表的な作品としては以下のようなものがあります。
映画
スケアクロウ (1973)
重犯罪特捜班/ザ・セブン・アップス (1973)
ハッピーフッカー/陽気な娼婦|ハッピーフッカー_陽気な娼婦 (1975)
ディーモン 悪魔の受精卵 (1976)
スタントマン殺人事件 (1977)
デススポーツ (1978)
超高層プロフェッショナル (1979)
ジェネシスを追え (1980)
トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン (1980)
マジック・クエスト/魔界の剣 (1982)
爆走戦士ストライカー (1985)
地獄のコマンド (1985)
グレート・バーバリアン (1987)
悪夢の惨劇 (1988)
リトル・ニキータ (1988)
情熱のランバダ (1990)
未来警察マッド・ポリス (1990)
アリゲーター2 (1991)
トランサーズ2360 (1991)
パペット・マスター3/ナチス大決闘 (1991)
ネクロノミカン (1993)
サイボーグ3 (1994)
スキャナーズ ニュー・エッジ/ザカリアス (1994)
罪と罰 (2002)
死霊危険地帯 ゾンビハザード (2002)
ファラオの首飾り (2003)
ハロウィン (2007)
ミル・マスカラス対アステカのミイラ (2007)
テレビドラマ
刑事スタスキー&ハッチ (1975 - 1979)
宇宙空母ギャラクティカ (1978)
ギャラクティカ1980 (1980)
フェニックス (1982)
新スタートレック (1993)
ジェシカおばさんの事件簿 (1992 - 1994)
* ファントム2040 (1995 - 1996) - 声の出演
晩年と死
2012年6月19日、リチャード・リンチは
カリフォルニア州の自宅で亡くなっているのが発見されました。72歳でした。映画『
ロード・オブ・セイラム』への出演も予定されていましたが、体調不良のため降板し、アンドリュー・プラインが代役を務めました。
リチャード・リンチは、その波乱万丈な人生と、それを乗り越えて確立した
俳優としての才能で、多くの人々に記憶されることでしょう。