リチャード・リーキー

リチャード・リーキー: ケニアの古人類学者、自然保護活動家、政治家

リチャード・アースキン・フリーア・リーキー（1944年12月19日 - 2022年1月2日）は、ケニアの古人類学者、自然保護活動家、政治家です。主に考古学や野生動物保護に尽力し、ケニア国立博物館の館長やケニア野生生物公社の総裁など多くの公職を歴任しました。また、NGO「ワイルドライフ・ダイレクト」を設立し、自然保護の重要性を訴えました。

幼少期と家庭環境

リーキーは、イギリス領ケニア植民地のナイロビに生まれ、両親も古生物学者という家庭環境で育ちました。父親のルイス・リーキーと母親のメアリー・リーキーは、それぞれ有名な考古学者で、リーキー兄弟は幼少期から多くの動物や自然と触れ合い、狩猟に参加するなど冒険的な生活を送りました。幼少時代に落馬して重傷を負ったことで、家族が一つにまとまるきっかけとなったエピソードもあります。

10代での実業家活動

リーキーは10代で自立し、ビジネスを始めます。狩猟用の罠や動物の骨の販売を手掛ける中で、様々なスキルを身につけていきました。1961年からはサファリビジネスに転身し、飛行機の操縦免許も取得。古生物学的な研究を行う上で、様々な指導者とともに重要な発見をした経験があります。

結婚と家族

リーキーは1964年に考古学者のマーガレット・クロッパーと出会い、結婚。しばらくして離婚した後も、再婚し、3人の娘をもうけました。家族との関係は、彼の探求者としての道に大きな影響を及ぼしました。

古生物学における貢献

1955年にケニア博物館協会を設立し、国立博物館の改革に貢献したリーキーは、後にオモ川やクービ・ファーラでの重要な発見に参加します。彼の研究は、ヒト科動物の進化に関する新しい知見をもたらし、パラントロプスやホモ・エレクトスの化石を発見しました。

自然保護活動

1989年、リーキーは野生動物保護管理局の長官に任命され、その役職で密猟撲滅に全力を尽くしました。武装した反密猟部隊を設立し、象の密猟を大幅に減少させるなどの成果を上げました。ただし、自然公園に関する彼のアプローチは物議を醸しました。

政治活動

1995年には「サフィナ」という政党を設立し、1999年には公務員の改革を行いました。ケニア政府内での彼の重要性は増しましたが、政治的な闘争も経験しました。

アメリカでの教育と活動

2002年からアメリカのストーニーブルック大学で教授として教壇に立ち、トゥルカナ盆地研究所を設立しました。野生動物保護のためのNGO「ワイルドライフ・ダイレクト」も立ち上げ、国際的な支援を呼びかけました。

帰国と晩年

2015年にケニアに帰国し、野生生物公社の議長として自然保護活動に再び従事しました。アンジェリーナ・ジョリーによる映画化計画も彼の生涯を再評価する機会となりましたが、2022年にリーキーは自宅で亡くなり、遺体は大地溝帯沿いの丘に埋葬されました。彼の人生は、野生動物と人類の関係を探求し続けた先駆者の例として、多くの人々に影響を与えています。

著作

リーキーは複数の著作を残しており、それらは彼の科学的な知見や個人的な体験を深く探求する内容となっています。主な著作には『オリジン』や『人類の起源』があり、これらは彼の業績を広く知る手助けとなります。

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